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興福寺禅定院

出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2017年12月3日 (日)

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'''禅定院'''は、[[平城京]]にあった[[法相宗]]寺院。[[興福寺]]の子院。元は[[元興寺]]の子院。本尊は[[弥勒如来]](「興福寺諸堂縁起」)。元興寺の東側にあった。のち[[大乗院門跡]]に吸収された。[[興福寺関連旧跡]]・[[元興寺関連旧跡]]。(参考:同名寺院[[禅定院]])
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'''禅定院'''は、[[平城京]]にあった[[法相宗]]寺院。廃絶。[[興福寺]]の子院。元は[[元興寺]]の子院。本尊は[[弥勒如来]](「興福寺諸堂縁起」)。元興寺の東側にあった。のち[[大乗院門跡]]に吸収された。[[興福寺関連旧跡]]・[[元興寺関連旧跡]]。鎮守は[[瑜伽神社]]、高畑天神社。(参考:同名寺院[[禅定院]])
== 歴史 ==
== 歴史 ==
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元興寺別当の成源が元興寺の子院として創建した。[[禅院寺]]の後身ともいう。
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興福寺僧で元興寺別当を務めた成源(1004-1058)が元興寺の子院として創建した。元興寺別院だった[[禅院寺]]の後身ともいう。
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早くから大乗院の支配下にあったらしく大乗院2世の頼実が伽藍を造営している(『南都七大寺の歴史と年表』)。
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早くから興福寺の支配下にあったらしく大乗院開山の隆禅が2代となり、以後、大乗院院主が禅定院を兼務した。
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治承4年(1180)の南都焼討で大乗院門跡が焼失すると、大乗院院主の信円が禅定院に住むようになり、禅定院は興福寺内に擬せられた。
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大乗院2世の頼実が永久年間(1113-1117)に禅定院伽藍を造営している。
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やがて大乗院に吸収されたとみられるが、名目上は禅定院も存続して大乗院院主が兼務する形となっていたようだ。
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治承4年(1180)の南都焼討で、現在の奈良県庁あたりにあった大乗院門跡が焼失すると、翌年、大乗院4世の信円(1153-1224)が禅定院に住むようになり、禅定院は興福寺内に擬せられた。
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やがて大乗院に吸収されたとみられるが、名目上は禅定院も存続していた形になっていたようだ。
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大乗院となった禅定院は宝徳の土一揆で焼失。その後、尋尊が再建した。
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== 参考文献 ==
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*『南都七大寺の歴史と年表』
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*「旧大乗院庭園の調査」[http://repository.nabunken.go.jp/dspace/bitstream/11177/762/1/BA67898227_2005_110_119.pdf]
[[category:奈良県]]
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2017年12月3日 (日) 時点における最新版

禅定院は、平城京にあった法相宗寺院。廃絶。興福寺の子院。元は元興寺の子院。本尊は弥勒如来(「興福寺諸堂縁起」)。元興寺の東側にあった。のち大乗院門跡に吸収された。興福寺関連旧跡元興寺関連旧跡。鎮守は瑜伽神社、高畑天神社。(参考:同名寺院禅定院

歴史

興福寺僧で元興寺別当を務めた成源(1004-1058)が元興寺の子院として創建した。元興寺別院だった禅院寺の後身ともいう。 早くから興福寺の支配下にあったらしく大乗院開山の隆禅が2代となり、以後、大乗院院主が禅定院を兼務した。 大乗院2世の頼実が永久年間(1113-1117)に禅定院伽藍を造営している。 治承4年(1180)の南都焼討で、現在の奈良県庁あたりにあった大乗院門跡が焼失すると、翌年、大乗院4世の信円(1153-1224)が禅定院に住むようになり、禅定院は興福寺内に擬せられた。 やがて大乗院に吸収されたとみられるが、名目上は禅定院も存続していた形になっていたようだ。 大乗院となった禅定院は宝徳の土一揆で焼失。その後、尋尊が再建した。

参考文献

  • 『南都七大寺の歴史と年表』
  • 「旧大乗院庭園の調査」[1]
http://shinden.boo.jp/wiki/%E8%88%88%E7%A6%8F%E5%AF%BA%E7%A6%85%E5%AE%9A%E9%99%A2」より作成

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