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高句麗王室

出典：安藤希章著『神殿大観』（2011-） 最終更新：2023年9月2日 (土)

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(?祭祀)
 
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'''高句麗'''の[[王室]]。[[新羅王室]]、[[百済王室]]も参照。
'''高句麗'''の[[王室]]。[[新羅王室]]、[[百済王室]]も参照。
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*[[卒本・始祖廟]]
 
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==王都==
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*[[桓仁]]：前37年～204年：中国遼寧省本渓市桓仁満族自治県。当時は卒本、忽本といった。
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==王都など==
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*[[桓仁]]：前37年～204年？：中国遼寧省本渓市桓仁満族自治県。当時は卒本、忽本といった。
*[[集安]]：204年～427年：中国吉林省通化市集安市。輯安。当時は丸都、国内といった。
*[[集安]]：204年～427年：中国吉林省通化市集安市。輯安。当時は丸都、国内といった。
*[[平壌]]：427年～668年：北朝鮮平壌直轄市。
*[[平壌]]：427年～668年：北朝鮮平壌直轄市。
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*[[遼陽]]：中国遼寧省遼陽市。遼東城を築いて拠点とした。
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==祭祀==
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*[[大后廟]]：中国吉林省。東扶余にあったという。東扶余王妃で東明聖王生母の柳花夫人を祀る。
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*[[卒本・始祖廟|始祖廟]]：中国遼寧省本渓市[[桓仁]]満族自治県。東明聖王を祀る。即位儀礼の一環として国王が拝礼した。遷都後も始祖廟は卒本に残された。
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*[[神隧]]：中国吉林省通化市集安市。王城の東にあった大穴。毎年10月に国王が祭祀を行ったという。集安郊外の竪穴遺跡とする説がある。
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*[[宗廟_(高句麗)]]：北朝鮮[[平壌]]直轄市。高句麗王室の宗廟。集安から平壌に移されたと記される。疑問視する見方もある。
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*[[社稷_(高句麗)]]：北朝鮮平壌直轄市。高句麗宗廟の社稷壇。集安から平壌に移されたと記される。疑問視する見方もある。
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*[[楽浪之丘]]：北朝鮮平壌直轄市。狩猟を伴う祭祀を毎年3月3日に行ったという。ときには国王も隣席した。
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*[[遼東・朱蒙祠]]：中国遼寧省[[遼陽]]市の遼東城にあった。東明聖王を祀る。
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*[[遼東・婦神祠]]：中国遼寧省遼陽市の遼東城にあった。柳花夫人を祀る。
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*その他、鬼神、[[霊星]]（零星）、日、[[箕子]]、可汗（不詳）を祀るとも。
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*[[崇霊殿]]：北朝鮮[[平壌直轄市]]中区域鐘路洞にある[[檀君]]と[[東明王]]の祠廟。李朝が奉斎した。[[崇仁殿]]も近くにある。
==陵墓==
==陵墓==
*[[洞溝古墳群]]：吉林省通化市集安市。[[高句麗将軍塚]]、[[太王陵]]、千秋塚など
*[[洞溝古墳群]]：吉林省通化市集安市。[[高句麗将軍塚]]、[[太王陵]]、千秋塚など
*高句麗古墳群：[[東明王陵]]、[[江西大墓]]など
*高句麗古墳群：[[東明王陵]]、[[江西大墓]]など
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==寺院==
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*[[定陵寺]]：[[東明王陵]]の陵寺。寺名は出土銘文による。
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*[[肖門寺]]：375年、小獣林王が創建。跡地不明。
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*[[伊弗蘭寺]]：375年、小獣林王が創建。跡地不明。
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*[[平壌金剛寺]]：498年、文咨明王が創建。清岩里廃寺。
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==歴代国王==
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*陵墓の欄はほぼ「三国史記」に基づく。跡地は不詳。
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*廟号は不明
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{|class="wikitable"
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!style="width:5%;"|代数
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!style="width:10%;"|王名
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!style="width:8%;"|生没年
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!style="width:8%;"|在位年
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!style="width:7%;"|諱
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!style="width:7%;"|諡号
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!style="width:45%;"|略歴
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!style="width:10%;"|陵墓
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|-
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|1
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|東明聖王
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|前58-前19
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|前37-前19
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|朱蒙
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|東明聖王
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|前37年、卒本で即位。鄒牟・衆牟・都慕・中牟とも。東明王。
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|龍山、[[東明王陵]]
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|2
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|瑠璃明王
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|前38-18
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|前19-18
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|類利
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|瑠璃明王
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|瑠璃王、儒留王、閭達
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|豆谷の東原
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|-
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|3
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|大武神王
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|4-44
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|18-44
 +
|無恤
 +
|大武神王
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|
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|大獣村原
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|-
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|4
 +
|閔中王
 +
|?-48
 +
|44-48
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|解色朱
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|閔中王
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|
 +
|閔中原石窟
 +
|-
 +
|5
 +
|慕本王
 +
|?-53
 +
|48-53
 +
|解憂
 +
|慕本王
 +
|悪政のため側近に弑逆されたという。
 +
|慕本原
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|-
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|6
 +
|太祖大王
 +
|47-165
 +
|53-146
 +
|宮
 +
|（なし）
 +
|諱は於漱とも。146年退位。165年崩御。119歳。大祖大王、国祖王とも。
 +
|不詳
 +
|-
 +
|7
 +
|次大王
 +
|71-165
 +
|146-165
 +
|遂成
 +
|次大王
 +
|165年、弑逆された。
 +
|不詳
 +
|-
 +
|8
 +
|新大王
 +
|89-179
 +
|165-179
 +
|伯固
 +
|新大王
 +
|
 +
|故国谷
 +
|-
 +
|9
 +
|故国川王
 +
|?-197
 +
|179-197
 +
|男武
 +
|故国川王
 +
|国壌王とも。
 +
|故国川原
 +
|-
 +
|10
 +
|山上王
 +
|?-227
 +
|197-227
 +
|延優
 +
|山上王
 +
|
 +
|山上陵
 +
|-
 +
|11
 +
|東川王
 +
|209-248
 +
|227-248
 +
|憂位居
 +
|東川王
 +
|
 +
|柴原
 +
|-
 +
|12
 +
|中川王
 +
|224-270
 +
|248-270
 +
|然弗
 +
|中川王
 +
|中壌王とも。
 +
|中川原
 +
|-
 +
|13
 +
|西川王
 +
|?-292
 +
|270-292
 +
|薬盧
 +
|西川王
 +
|西壌王とも。
 +
|西川原
 +
|-
 +
|14
 +
|烽上王
 +
|?-300
 +
|292-300
 +
|相夫
 +
|烽上王
 +
|廃位の動きに自害。雉葛王とも。
 +
|烽山原
 +
|-
 +
|15
 +
|美川王
 +
|?-331
 +
|300-331
 +
|乙弗
 +
|美川王
 +
|好壌王、好穣王とも。次代の342年に陵墓が暴かれた。
 +
|美川原
 +
|-
 +
|16
 +
|故国原王
 +
|?-371
 +
|331-371
 +
|斯由
 +
|（なし）
 +
|371年、百済の近肖古王の侵攻で戦死。
 +
|故国原
 +
|-
 +
|17
 +
|小獣林王
 +
|?-384
 +
|371-384
 +
|丘夫
 +
|小獣林王
 +
|375年に[[肖門寺]]を創建。[[伊弗蘭寺]]も創建。小解朱留王とも。
 +
|小獣林原
 +
|-
 +
|18
 +
|故国壌王
 +
|?-391
 +
|384-391
 +
|伊速
 +
|故国壌王
 +
|
 +
|故国壌
 +
|-
 +
|19
 +
|広開土王
 +
|374-413
 +
|391-413
 +
|談徳
 +
|広開土王<br>国岡上広開土境平安好太王
 +
|好太王とも。好太王碑で知られる。三国史記には埋葬地の記載なし。
 +
|[[太王陵]]
 +
|-
 +
|20
 +
|長寿王
 +
|394-491
 +
|413-491
 +
|巨連
 +
|長寿王
 +
|三国史記には埋葬地の記載なし。
 +
|[[高句麗将軍塚]]
 +
|-
 +
|21
 +
|文咨明王
 +
|?-519
 +
|491-519
 +
|羅雲
 +
|文咨明王
 +
|498年、[[平壌金剛寺]]を創建。明治好王とも。
 +
|不詳
 +
|-
 +
|22
 +
|安臧王
 +
|498-531
 +
|519-531
 +
|興安
 +
|安臧王
 +
|
 +
|不詳
 +
|-
 +
|23
 +
|安原王
 +
|501-545
 +
|531-545
 +
|宝延
 +
|安原王
 +
|
 +
|不詳
 +
|-
 +
|24
 +
|陽原王
 +
|?-559
 +
|545-559
 +
|平成
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|陽原王
 +
|陽崗上好王、陽崗王とも。
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|不詳
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|-
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|25
 +
|平原王
 +
|?-590
 +
|559-590
 +
|陽成
 +
|平原王
 +
|平崗上好王、平崗王とも。
 +
|不詳
 +
|-
 +
|26
 +
|嬰陽王
 +
|?-618
 +
|590-618
 +
|元
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|嬰陽王
 +
|平陽王、大興王とも。
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|不詳
 +
|-
 +
|27
 +
|栄留王
 +
|?-642
 +
|618-642
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|建武
 +
|（なし）
 +
|642年弑逆された。建武王とも。
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|不詳
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|-
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|追尊
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|大陽王
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|生没年不詳
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|643
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|
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|（なし）
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|栄留王の弟。643年1月、子の宝蔵王から冊封された。
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|不詳
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|-
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|宝蔵王
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|?-682
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|642-668
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|臧
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|（なし）
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|大陽王の子。668年、唐の侵攻で廃位。処刑はされずに唐で任官された。681年、高句麗復興を企て配流。682年死去。長安の頡利可汗墓のそばに葬られた。
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|長安
 +
|}
==資料==
==資料==
 +
===壇廟祠廟祭祀===
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*井上直樹2023「高句麗始祖廟祭祀考―祭祀記事の批判的検討と高句麗王系」『東アジアにおける朝鮮史の展望』
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*武田幸男1997「「始祖廟」記事と高句麗王系」『東方學論集』
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*田村専之助1944「魏志高句麗伝に見えたる宗廟・社稷・霊星について」[https://dl.ndl.go.jp/pid/1070999/1/68]
 +
*岩本通弥2016「都城の象徴性と王権の祭祀―朝鮮の事例を中心に」[https://rekihaku.repo.nii.ac.jp/records/852]
 +
===陵墓===
*門田誠一2012「高句麗王陵の築造思想にみる儒教と仏教―追孝から追福へ」[https://archives.bukkyo-u.ac.jp/repository/baker/rid_RO000200004720]
*門田誠一2012「高句麗王陵の築造思想にみる儒教と仏教―追孝から追福へ」[https://archives.bukkyo-u.ac.jp/repository/baker/rid_RO000200004720]
*門田誠一2022「文字瓦にみる高句麗王陵修築体制―千秋塚出土資料を中心に」[https://archives.bukkyo-u.ac.jp/repository/baker/rid_RO001200011126]
*門田誠一2022「文字瓦にみる高句麗王陵修築体制―千秋塚出土資料を中心に」[https://archives.bukkyo-u.ac.jp/repository/baker/rid_RO001200011126]

2023年9月2日 (土) 時点における最新版

高句麗の王室。新羅王室、百済王室も参照。


目次

王都など

  • 桓仁：前37年～204年？：中国遼寧省本渓市桓仁満族自治県。当時は卒本、忽本といった。
  • 集安：204年～427年：中国吉林省通化市集安市。輯安。当時は丸都、国内といった。
  • 平壌：427年～668年：北朝鮮平壌直轄市。
  • 遼陽：中国遼寧省遼陽市。遼東城を築いて拠点とした。

祭祀

  • 大后廟：中国吉林省。東扶余にあったという。東扶余王妃で東明聖王生母の柳花夫人を祀る。
  • 始祖廟：中国遼寧省本渓市桓仁満族自治県。東明聖王を祀る。即位儀礼の一環として国王が拝礼した。遷都後も始祖廟は卒本に残された。
  • 神隧：中国吉林省通化市集安市。王城の東にあった大穴。毎年10月に国王が祭祀を行ったという。集安郊外の竪穴遺跡とする説がある。
  • 宗廟_(高句麗)：北朝鮮平壌直轄市。高句麗王室の宗廟。集安から平壌に移されたと記される。疑問視する見方もある。
  • 社稷_(高句麗)：北朝鮮平壌直轄市。高句麗宗廟の社稷壇。集安から平壌に移されたと記される。疑問視する見方もある。
  • 楽浪之丘：北朝鮮平壌直轄市。狩猟を伴う祭祀を毎年3月3日に行ったという。ときには国王も隣席した。
  • 遼東・朱蒙祠：中国遼寧省遼陽市の遼東城にあった。東明聖王を祀る。
  • 遼東・婦神祠：中国遼寧省遼陽市の遼東城にあった。柳花夫人を祀る。
  • その他、鬼神、霊星（零星）、日、箕子、可汗（不詳）を祀るとも。
  • 崇霊殿：北朝鮮平壌直轄市中区域鐘路洞にある檀君と東明王の祠廟。李朝が奉斎した。崇仁殿も近くにある。

陵墓

寺院

歴代国王

  • 陵墓の欄はほぼ「三国史記」に基づく。跡地は不詳。
  • 廟号は不明
代数 王名 生没年 在位年 諱 諡号 略歴 陵墓
1 東明聖王 前58-前19 前37-前19 朱蒙 東明聖王 前37年、卒本で即位。鄒牟・衆牟・都慕・中牟とも。東明王。 龍山、東明王陵
2 瑠璃明王 前38-18 前19-18 類利 瑠璃明王 瑠璃王、儒留王、閭達 豆谷の東原
3 大武神王 4-44 18-44 無恤 大武神王 大獣村原
4 閔中王 ?-48 44-48 解色朱 閔中王 閔中原石窟
5 慕本王 ?-53 48-53 解憂 慕本王 悪政のため側近に弑逆されたという。 慕本原
6 太祖大王 47-165 53-146 宮 （なし） 諱は於漱とも。146年退位。165年崩御。119歳。大祖大王、国祖王とも。 不詳
7 次大王 71-165 146-165 遂成 次大王 165年、弑逆された。 不詳
8 新大王 89-179 165-179 伯固 新大王 故国谷
9 故国川王 ?-197 179-197 男武 故国川王 国壌王とも。 故国川原
10 山上王 ?-227 197-227 延優 山上王 山上陵
11 東川王 209-248 227-248 憂位居 東川王 柴原
12 中川王 224-270 248-270 然弗 中川王 中壌王とも。 中川原
13 西川王 ?-292 270-292 薬盧 西川王 西壌王とも。 西川原
14 烽上王 ?-300 292-300 相夫 烽上王 廃位の動きに自害。雉葛王とも。 烽山原
15 美川王 ?-331 300-331 乙弗 美川王 好壌王、好穣王とも。次代の342年に陵墓が暴かれた。 美川原
16 故国原王 ?-371 331-371 斯由 （なし） 371年、百済の近肖古王の侵攻で戦死。 故国原
17 小獣林王 ?-384 371-384 丘夫 小獣林王 375年に肖門寺を創建。伊弗蘭寺も創建。小解朱留王とも。 小獣林原
18 故国壌王 ?-391 384-391 伊速 故国壌王 故国壌
19 広開土王 374-413 391-413 談徳 広開土王
国岡上広開土境平安好太王 		好太王とも。好太王碑で知られる。三国史記には埋葬地の記載なし。 太王陵
20 長寿王 394-491 413-491 巨連 長寿王 三国史記には埋葬地の記載なし。 高句麗将軍塚
21 文咨明王 ?-519 491-519 羅雲 文咨明王 498年、平壌金剛寺を創建。明治好王とも。 不詳
22 安臧王 498-531 519-531 興安 安臧王 不詳
23 安原王 501-545 531-545 宝延 安原王 不詳
24 陽原王 ?-559 545-559 平成 陽原王 陽崗上好王、陽崗王とも。 不詳
25 平原王 ?-590 559-590 陽成 平原王 平崗上好王、平崗王とも。 不詳
26 嬰陽王 ?-618 590-618 元 嬰陽王 平陽王、大興王とも。 不詳
27 栄留王 ?-642 618-642 建武 （なし） 642年弑逆された。建武王とも。 不詳
追尊 大陽王 生没年不詳 643 （なし） 栄留王の弟。643年1月、子の宝蔵王から冊封された。 不詳
28 宝蔵王 ?-682 642-668 臧 （なし） 大陽王の子。668年、唐の侵攻で廃位。処刑はされずに唐で任官された。681年、高句麗復興を企て配流。682年死去。長安の頡利可汗墓のそばに葬られた。 長安

資料

壇廟祠廟祭祀

  • 井上直樹2023「高句麗始祖廟祭祀考―祭祀記事の批判的検討と高句麗王系」『東アジアにおける朝鮮史の展望』
  • 武田幸男1997「「始祖廟」記事と高句麗王系」『東方學論集』
  • 田村専之助1944「魏志高句麗伝に見えたる宗廟・社稷・霊星について」[1]
  • 岩本通弥2016「都城の象徴性と王権の祭祀―朝鮮の事例を中心に」[2]

陵墓

  • 門田誠一2012「高句麗王陵の築造思想にみる儒教と仏教―追孝から追福へ」[3]
  • 門田誠一2022「文字瓦にみる高句麗王陵修築体制―千秋塚出土資料を中心に」[4]

中国書

  • 吉林省文物考古研究所・集安市博物館編著2004『集安高句麗王陵―1990-2003年集安高句麗王陵調査報告』文物出版社
  • 吉林書文物考古研究所・集安市博物館編著2004『丸都山城―2001～2003年集安丸都山城調査試掘報告』文物出版社
  • 吉林書文物考古研究所・集安市博物館編著2004『国内城―2000～2003年集安国内城与民主遺址試掘報告』文物出版社
  • 遼寧省文物考古研究所編著2004『五女山城―1996～1999、2003年桓仁五女山城調査発掘報告』文物出版社
  • 張福有・孫仁杰・遲勇2007『高句麗王陵通考』香港亜洲出版社
  • 張福有2007『高句麗王陵統鑑』香港亜洲出版社
  • 孫仁杰・遲勇2007『集安高句麗墓葬』香港亜洲出版社
  • 耿鉄華・崔明主編2008『中国高句麗王城王陵及貴族墓葬』吉林文史出版社
  • 吉林省文物考古研究所編著2009『吉林集安高句麗墓葬報告集』科学出版社
  • 吉林省文物考古研究所・集安市博物館・吉林省博物院編著2010『集安出土高句麗文物集綷』科学出版社
  • 吉林省文物考古研究所等編著2023『2016年度洞溝古墓群山城下墓区清理報告』科学出版社
「http://shinden.boo.jp/wiki/%E9%AB%98%E5%8F%A5%E9%BA%97%E7%8E%8B%E5%AE%A4」より作成

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