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大和・龍泉寺
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2023年10月6日 (金)
龍泉寺(りゅうせんじ)は、奈良県吉野郡天川村洞川(大和国吉野郡)にある修験道当山派の寺院。本尊は弥勒菩薩。真言宗醍醐派大本山。大峰山寺護持院の一つ。洞川龍泉寺。山号は大峰山。(参考:同名寺院龍泉寺)
目次 |
歴史
- 白鳳年間:天武天皇の勅願で、役小角が八大龍王を祀ったのが起源。
- 812年(弘仁3年):空海、高野山開創以前に龍泉寺に留まり、八大龍王に雨乞いの祈祷を行った。
- 平安時代:聖宝が復興。
- 近世:「大峰山内道場」を称して、本山派と当山派の双方に所属した。
- 正徳年間:英尊が本堂を建立。三宝院門跡の峰入りの際、蟷螂の窟の修行の後、龍泉寺で柴灯護摩を行なった。
- 明治初年:神仏分離で吉野山の諸寺院が壊滅すると、その隙に乗じて大峰山登拝の拠点として飛躍的に存在感を高めた。
- 1875年(明治8年):廃絶した山上蔵王堂(現在の大峰山寺)の代わりに建てられた山上行者堂の「監守」に吉野・善福寺と共に認められた。
- 1878年(明治11年):山上ケ岳に出張所を設置。
- 1910年(明治43年):醍醐寺三宝院末となった。
- 1941年(昭和16年)9月:別格本山に昇格。のち大本山。
- 1946年(昭和21年):洞川大火で龍王堂のみ残して諸堂焼失。
- 1960年(昭和35年):伽藍再建と共に境内の女人禁制を解除。
- 2001年(平成13年):八大龍王堂を再建。
(日本歴史地名大系、修験道小事典、由緒書ほか)
伽藍
- 本堂:本尊は弥勒菩薩。役小角・空海・聖宝・近畿三十六不動尊の不動明王も祀る。1946年(昭和21年)焼失。1960年(昭和35年)再建。
- 龍の口の泉:善女龍王を祀る。泉は水行場となっている。大峰山に入峰する行者はここで禊を行う。
- 八大龍王堂:八大龍王尊を祀る。1946年(昭和21年)の洞川大火で唯一焼け残った。2001年(平成13年)老朽化で再建。
- 柴燈護摩道場:
- 御神木鎮魂不動堂:不動明王。
- 弁才天堂:弁才天。
- 神聖殿:役小角と聖宝と各講社先達・檀家の諸霊を祀る。
- 大峰山第一水行場:
- 不動堂:行場がある。
- 龍王の滝:
- 便殿庫裏:彦根城にあった大正天皇の行在所を移築したものという。