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東大寺法華堂
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2024年2月10日 (土)
東大寺法華堂は、奈良県奈良市の東大寺にある観音堂。本尊は不空羂索観音。金鍾寺の後身と考えられている。上院の中心伽藍で華厳宗の根本道場とされる。本尊の裏に良弁の持仏だったという秘仏執金剛神が祀られている。三月堂とも羂索堂ともいう。東大寺関連旧跡も参照。
歴史
- 733年:金鐘寺創建
- 746年3月16日:法華会が恒例となり、延喜年間には法華堂と呼ばれている。法華会は、東大寺の僧侶にとって重大な行事であり、法会に合わせて昇進に関わる竪義が行われてきた。
法華会の行う時期が3月であることから三月堂と呼ばれるようになった。また旧暦3月は桜の時期であるから法華会は桜会とも呼ばれた。 華厳宗の道場とされたことから、華厳宗長者を兼ねる東大寺尊勝院の創建後はその管轄下に置かれた。 平安時代には11月16日に華厳講が営まれていた。この華厳講は740年10月の良弁による華厳経講説に由来するものともいう(鎌倉時代には会場は開山堂に移り、のちに断絶する) 平安時代中期には堂方(禅衆)の拠点となった。修験者のように不動明王を本尊とした回峰行を行い、ときには僧兵ともなった。
「試みの大仏」ともいわれる弥勒仏坐像は法華堂に長く祀られていた。良弁の念持仏といわれる。
東側に手水屋が接続。手水屋には大黒天が祀られている。法華堂経庫が手向山八幡宮の前にある。
(『東大寺史へのいざない』ほか)