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中国の石窟寺院

出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)

2016年10月25日 (火) 時点におけるWikiSysopKARASUYAMA (トーク | 投稿記録)による版
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中国の石窟寺院。ほとんどは仏教寺院だが、一部道教もある。

目次

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三大石窟

  • 雲崗石窟寺院:山西省大同市南郊区。大同の郊外、武周川北岸の武周山の斜面に1kmにわたり、石窟53窟、小龕1100所以上、像51000体以上が残る。北魏の文成帝の時代、曇曜が中心となって造営したのが始まりという。 当時は首都大同と旧都盛楽を結ぶ交通の要衝にあたり、北魏の皇帝は仏教を尊崇した。
  • 龍門石窟寺院:河南省洛陽市洛龍区。洛陽中心部から南12kmにある。伊水の両岸の断崖に南北1kmに及ぶ。石窟は1352窟、龕750所、仏塔40余基、像は10万体という。造像題記や碑刻も多い。書道史で名品として知られる龍門二十品もある。仏教を重視した北魏では旧都大同でも近くに雲崗石窟を開いたが、494年に孝文帝が洛陽遷都を行うと、直後からその近くの龍門に造営が始まった。その後、東魏、西魏、北斉、北周、隋、唐にわたり400年掘り続けられた。五代、北宋の時代にも造営はわずかに行われた。北魏時代に開かれた洞としては古陽洞、賓陽洞、蓮華洞、薬方洞、火焼洞、石窟寺、魏字洞、趙客師洞、普泰洞がある。 唐代では、則天武后の時代の、潜渓寺、万仏洞、奉先寺、大万洞、高平郡王洞、極南洞、看経洞が代表的。特に奉先寺は、日本の東大寺大仏のモデルになったとも言われる。
  • 莫高窟:甘粛省酒泉市敦煌市。

西域

  • ベゼクリク石窟寺院:新疆ウイグル自治区トルファン市。83の石窟が確認されている。非常に豊富な内容の壁画が残る。ムルトック河沿いの断崖に約500mにわたり作られた。5-6世紀の高昌王国時代から始まり、13世紀にイスラム教勢力が侵入するまで続いた。ウイグル王家が手掛けた。マニ教や景教の壁画の痕跡もあるという。日本京都の龍谷ミュージアムに壁画の復元施設がある。
  • クチャ:新疆ウイグル自治区アクス地区クチャ県
    • キジル石窟寺院:クチャは亀茲国の王都。シルクロードの要衝の地にあり、西域仏教の中心地の一つだった。ムザルト河の断崖に約2kmにわたり、236の石窟がある。礼拝窟と僧房窟がある。そのうち70程度が比較的保存状態が良い。仏像はほとんど残っていないが、5000平方メートルの壁画が残る。主に上座部仏教のもので、晩期に大乗仏教の壁画もみられる。中国に現存する石窟寺院ではもっとも早い時期から作られたとみられ、その時期は3世紀末〜4世紀初頭とされる。チベットに侵入される8世紀まで造営が行われた。
    • クズルガハ石窟寺院
    • クムトラ石窟寺院
    • テテル石窟寺院
    • アエ石窟寺院
    • シムシム石窟寺院
    • アザバハ石窟寺院
  • 炳霊寺:甘粛省臨夏回族自治州永靖県。大寺溝の断崖に2kmにわたり、西秦から唐代までの184窟が現存している。その中には石彫仏像679体、泥塑像82体、壁画900平方米が残る。「炳霊」はチベット語で「千仏」「十万仏」を意味する。1951年の中国調査団は険しい道を超えていったが、劉家峡ダムのおかげで水路が発達し、現在は船で行ける。インドに向かう法顕が3カ月滞在したといわれる。
  • 麦積山石窟寺院:甘粛省天水市麦積区。麦積山は秦嶺山脈の山々に囲まれた、独立した高さ150mの小さな山。遠くから見ると麦を積んだように見えることからこの名がある。断崖の地上70〜80mの高所に設けられた194の石窟が現存している。塑像石像は7000体以上ある。瑞応寺という寺院も麓にある。後秦の姚興の時代頃に創建。清代まで造営が続けられたが、特に造窟が盛んだったのは西秦、北魏、西魏、北周、隋、宋の6朝。また優れた造像は唐以前に盛んだった。
  • 拉梢寺:甘粛省天水市武山県。河西回廊
  • 莫高窟:甘粛省酒泉市敦煌市。
  • 西千仏洞:甘粛省酒泉市敦煌市。
  • 東千仏洞:甘粛省酒泉市瓜州県。
  • 楡林窟:甘粛省酒泉市瓜州県。
  • 昌馬寺:甘粛省酒泉市玉門市。
  • 馬蹄寺石窟:甘粛省張掖市粛南ユグル族自治県。河西回廊。北寺、南寺、金塔寺、上中下観音寺、千仏洞の七つの洞窟群。北魏に掘られた洞窟だが、壁画は唐代以降のもの。北寺と金塔寺の保存状態がよい。
  • 文殊山石窟寺院:甘粛省張掖市粛南ユグル族自治県。
  • 慶陽北石窟寺院:甘粛省慶陽市西峰区。295窟が現存。
  • 張家溝:甘粛省慶陽市合水県。
  • 涇川南石窟寺院:甘粛省平涼市〓川県。
  • 王母宮石窟寺院:甘粛省平涼市〓川県。
  • 雲崖寺:甘粛省平涼市荘浪県。
  • 須弥山石窟寺院:寧夏回族自治区固原市原州区。132窟があったが多くが1920年の地震で崩壊した。隋唐時代に石門関があった地。完全な窟は20窟前後。大仏楼、子孫宮、円光寺、相国寺、桃花洞の五つの地区に分かれる。唐代に現在の大仏楼の高さ20.6mの釈迦大仏が作られた。清代に道教が伝わると多くが道教窟に改造された。
  • 石空寺:寧夏回族自治区中衛市中寧県。双龍山の南麓に石空寺窟(万仏洞)、睡仏洞、百子観音洞、霊光洞の4窟がある。1956年、周辺の流砂を取り除いたところ発見された。唐、西夏、元の時代にわたり造営されたが、仏像の多くは破損。壁画は後世の稚拙な泥塑があり、「現在ではあまり見るべきものはない」(鎌田茂雄)。奥行き27m、幅13mの大洞窟に無梁殿、大雄宝殿、禅堂が復元された。
  • 禅仏寺:寧夏回族自治区固原市西吉県。
  • ピヤントンガ石窟寺院:チベット自治区

中原

その他



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