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日蓮宗不受不施門流
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)
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*日現(1496-1561):池上本門寺・妙本寺11世。不受不施の先駆者とされる。 | *日現(1496-1561):池上本門寺・妙本寺11世。不受不施の先駆者とされる。 | ||
*日完:大野法蓮寺。蓮華寺。1665年(寛文5年)の寛文の法難で、日述と同じく伊予吉田に配流となるが、その後、日述に対して盗みを働いたとして死刑となったという。不受不施の信仰もなかったとして、後六聖人から外された。(『忘れられた殉教者』) | *日完:大野法蓮寺。蓮華寺。1665年(寛文5年)の寛文の法難で、日述と同じく伊予吉田に配流となるが、その後、日述に対して盗みを働いたとして死刑となったという。不受不施の信仰もなかったとして、後六聖人から外された。(『忘れられた殉教者』) |
2024年5月21日 (火) 時点における版
不受不施門流は、日蓮宗の流派の一つ。信者以外からの布施の受け取りを拒否し、また信者以外の者に布施しない。徳川幕府はこの教義を反体制的だと危険視し、禁教の対象となった。たびたび弾圧されたが、明治維新まで非合法で活動を続けた。不受不施は江戸時代以前から日蓮宗の教義の論点として存在していたが、領主による寄進の諾否や領主のための祈祷への出仕をいわば「踏み絵」にして日蓮宗を統制する手段とした。明治維新で解禁され教団が組織された。教団としての日蓮宗不受不施派との混同をさけるために記事名称を「不受不施門流」としている。教団としては他に不受不施日蓮講門宗もある。
目次 |
歴史
一覧
近現代の本山
- 妙覚寺:岡山県岡山市北区御津金川。堯了派を継承。
- 本覚寺:岡山県岡山市北区御津鹿瀬。津寺派を継承。妙宣庵(鹿瀬草庵)を母体として明治に再興された。
- 妙善寺:岡山県岡山市北区津島。大覚の旧跡とされる。唯紫庵を継承。2派が合併した本化正宗および、戦後分離後の妙法華宗の本山が置かれた。
形成期の関連旧跡
- 蓮華寺:埼玉県行田市。忍。
- 心性寺:京都白川
- 妙覚寺:京都府京都市上京区。日奥がいた寺院。
- 対馬・国昌寺:長崎県対馬市。日奥が創建。
- 妙満寺:京都府京都市左京区。
- 池上本門寺:東京都大田区。
- 常葉檀林実相寺:千葉県香取市。
- 野呂檀林妙興寺:千葉県千葉市若葉区。
- 小西檀林正法寺:千葉県大網白里市。
- 中村檀林日本寺:千葉県香取郡多古町。
- 飯高檀林飯高寺:千葉県匝瑳市飯高。
- 松崎檀林顕実寺:千葉県香取郡多古町。
- 玉造檀林蓮華寺:千葉県香取郡多古町。
- 国前寺:広島県広島市東区。
- 本土寺:千葉県松戸市。
- 小湊誕生寺:千葉県鴨川市小湊。
- 鷲山寺:千葉県茂原市。
- 妙福寺:千葉県成田市小菅。
- 駿河・妙覚寺
- 日講庵:宮崎県宮崎市佐土原町。日講の庵。
- 日講墓:宮崎県宮崎市佐土原町。
- 日述謫居跡:愛媛県宇和島市吉田町東小路。
- 日述墓:愛媛県宇和島市吉田町立間尻。聖人寺跡?
- 日樹墓:長野県飯田市羽場権現。
- 好堅寺:京都府亀岡市。京都妙覚寺から退いた日奥が創建した。
- 自証寺:天台宗自証院と自証庵(現若松寺)となる。
- 谷中・感応寺:東京都台東区。現在の天台宗谷中・天王寺。
- 碑文谷法華寺:東京都目黒区。現在の天台宗江戸・円融寺。
- 江戸・法明寺:東京都豊島区。
- 本久寺:岡山県和気郡和気町佐伯。岡山藩の寛文法難で殉教した、日閑、日勢が在籍していた寺。現在は日蓮宗久遠寺派。
- 柳原刑場:岡山県岡山市中区平井にあった岡山藩の刑場。矢田部六人衆が処刑された地。殉教者の記念碑が建てられている。
- 矢田部六人衆供養塔:岡山県和気郡和気町矢田部にある、矢田部六人衆の供養塔。
- 比丘尼塚:岡山県津山市福田にある、福田五人衆が殉教した石窟。佐良山古墳群に属する剣戸14号墳(円墳)の石室に籠って断食入定した。供養塔が建てられている。法華塚ともいう。
禁教期の関連寺院
宮崎英修の調査によると、備前に13、下総に7、備中に3
- 日指庵:岡山県倉敷市山地日差あたりか??
- 津寺庵:岡山県岡山市北区津寺か??
- 大樹庵:岡山県和気郡和気町益原。現在の法泉寺。
- 自証庵:東京都港区南麻布。現在の若松寺。
- 本妙庵:備前。
- 唯紫庵:岡山県岡山市北区津島?妙善寺?
- 松寿庵:岡山県岡山市中区平井。現在の奥聖寺。
- 生前庵:岡山県岡山市北区御津金川。
- 妙宣庵:岡山県岡山市北区御津鹿瀬。現在の岡山・本覚寺。
- 妙泉庵:岡山県和気郡和気町佐伯。元は東区瀬戸町宗堂の妙泉寺。
- 大教庵
- 正行庵
- 真善庵
- 常在庵:岡山県岡山市北区御津紙工天満。通善院日円が創建。現在の常在寺。
- 泉秀庵
- 浄源庵:岡山県岡山市北区御津紙工久保。持城院日儀が創建。常在寺に併合された。
- 妙昌庵:千葉県いすみ市正立寺。現在の妙松寺。
- 衆妙庵:大阪高津にあった。津寺派を継承。現在の本覚寺につながる?秀妙庵とも。
- 知足庵
- 東知足庵
- 阿伽陀庵
- 玉造庵:下総
- 西沢庵:下総
- 新田庵:下総
- 三宅島:不受不施僧の墓碑を集めた墓地がある
- 八丈島:
- 神津島
流派・教団
- 堯了派:日堯と日了を派祖とする流派。日指派、導師派、堯門派ともいう。拠点は、日指庵。岡山・妙覚寺を本山とする現在の「日蓮宗不受不施派」。
- 津寺派:日講を派祖とする流派。不導師派、日講派ともいう。拠点は津寺庵、大阪衆妙庵。岡山・本覚寺を本山とする現在の「不受不施日蓮講門宗」。
- 日題派:日題を派祖とする流派。断絶。
- 悲田派:不受不施派の主流からは異端、裏切者とみなされている。断絶。
人物旧跡
(日蓮宗の人物旧跡に統合予定。)
派祖
前六聖人
前六聖人(ぜんろくしょうにん)は、1630年(寛永7年)の寛永法難(身池対論)で配流となった6人の僧侶。前六ともいう。(『忘れられた殉教者』)
- 日樹(1574-1631):池上本門寺16世(妙本寺16世)。飯高檀林化主。備中国浅口郡出身。浅草長遠寺を創建。日奥に私淑し、不受不施を唱える。身池対論で敗れ、信濃伊那に流される。長野県飯田市に墓所がある。長遠院と号す。
- 日賢:中山法華経寺の僧侶。飯高檀林。常葉檀林の創始者。遠江横須賀に配流。横須賀で本源寺を創建。
- 日弘:平賀本土寺17世。伊豆戸田に配流。戸田に長谷寺を創建。
- 日領:小湊誕生寺16世。小西檀林能化。佐渡を経て、陸奥中村に配流。中村で仏立寺を創建。
- 日充:中村檀林の僧侶。陸奥磐城平に配流。窪田に庵を結んだ。
- 日進:碑文谷法華寺の僧侶。信濃上田に配流。上田で妙光寺を中興。
後六聖人
後六聖人(ごろくしょうにん)は、1665年(寛文5年)から翌年の法難(「寛文の惣滅」)で配流となった6人の僧侶。後六ともいう。この前後に配流となった者は多く、70人以上に上るという。日完のように流罪後に日述に対して盗みを行い不信心者とみなされ聖人には数えられていないという者もいる。(『忘れられた殉教者』)
- 日述:平賀本土寺の僧侶。伊予吉田に配流。愛媛県宇和島市に墓所がある。一乗寺によく参詣したという。
- 日堯(1620-1684):興津妙覚寺の僧侶。讃岐丸亀に配流。興津妙覚寺にある文字を削り取られた墓石が日堯の墓だという。
- 日了:雑司ケ谷法明寺の僧侶。讃岐丸亀に配流。
- 日講(1626-1698):野呂檀林能化20世。日向佐土原に配流。宮崎県宮崎市佐土原に墓所がある。
- 日浣:玉造檀林の僧侶。肥後人吉に配流。富ケ尾に墓所がある。
- 日庭:自証寺開山。将軍家光の娘の霊仙院(母は側室自証院)の帰依を受けていたため、1665年(寛文5年)の寛文法難では寺を出るだけで済んだ。その後、潜伏して自証庵を構えた。しかし、1687年(貞享4年)に佐渡流罪となる。佐渡相川で本敬寺に謫居した。自証寺は、現在の自証院と若松寺に当たる。
矢田部六人衆
矢田部六人衆は、岡山藩の寛文法難(「心学法難」とも呼ばれる)で、1668年(寛文8年)6月に処刑された備前矢田部の信徒6人。僧侶日閑と一般信徒の男性5人。矢田部六人衆、佐伯六人衆ともいう。他に28人が追放された。(『忘れられた殉教者』『歴史のたてよこ』)
- 日閑:本久寺の僧侶。妙覚院と号す。
- 河本五兵衛
- 河本仁兵衛
- 松田五郎右衛門
- 河本喜右衛門
- 花房七太夫
福田五人衆
福田五人衆は、岡山藩の寛文法難で、1669年(寛文9年)2月から3月にかけて石窟に籠もり、断食入定した美作の信徒5人。日勢という僧侶と一般信徒の女性4人が佐良山の古墳の石室に入り、二度と出てこなかった。(『忘れられた殉教者』)
- 日勢:本久寺の僧侶。
- 妙意
- 妙定
- 妙現
- 妙勢
その他
- 日親(1407-1488):不受不施の先駆者とみなされることがある。
- 日現(1496-1561):池上本門寺・妙本寺11世。不受不施の先駆者とされる。
- 日完:大野法蓮寺。蓮華寺。1665年(寛文5年)の寛文の法難で、日述と同じく伊予吉田に配流となるが、その後、日述に対して盗みを働いたとして死刑となったという。不受不施の信仰もなかったとして、後六聖人から外された。(『忘れられた殉教者』)
- 日献:諫暁僧。
- 日妙:三宅島に流罪。
- 日英:妙満寺。
- 日発:興津妙覚寺
- 日感:法蓮寺
- 日経:妙満寺27世。日奥に私淑。耳と鼻を削がれた。
- 満姫:前田家出身。浅野家に嫁ぐ。国前寺を創建
- 増穂残口:
- 霊仙院:徳川家光の娘。
- 日通:覚隆院。日指庵。
- 日降:覚照院。津寺庵
- 日養:最勝院。佐渡阿仏坊