江戸・弥勒寺

出典：安藤希章著『神殿大観』（2011-）

2024年4月14日 (日) 時点における版

弥勒寺（みろくじ）は、東京都墨田区立川にある真言宗寺院。本尊は薬師如来で、川上薬師と呼ばれた。江戸時代、真言宗新義派の江戸触頭（江戸四カ寺）の一つだった。大覚寺門跡の院室兼帯寺院として恵光院の号を持った。山号は万徳山。（参考：同名寺院弥勒寺_(同名)）

歴史

• 1610年(慶長15年)：小石川鷹匠町に創建。
• 某年：馬喰町に移転。
• 1682年(天和2年)：火災。
• 1683年(天和3年)：深川に移転[1]。
• 1689年(元禄2年)：現在地に移転。
• 1692年(元禄5年)：寺領100石寄進[2]。
• 1693年(元禄6年)：朱印状下付。
• 1706年(宝永3年)9月16日：成田山新勝寺が弥勒寺末から離脱する[3]。
• 1823年(文政6年)12月9日：本堂焼失[4]
• 1832年(天保3年)2月25日：類焼[5]
• 1868年(明治1年)7月4日：触頭廃止[6]。

子院

• 龍光院
• 法樹院
• 徳上院

組織

歴代住職

• 1宥鑁（?-1633）<1610-1633>：1633年(寛永10年)死去[7]。智積院9世とは別人。
• 2隆長（1586-1656）<1633->：智積院5世。1633年(寛永10年)弥勒寺住職[8]。1642年(寛永19年)1月21日、智積院元寿から譲状を受ける[9]。1648年(慶安1年)智積院能化。円精房。
• 3尊雄（生没年不詳）<>：
• 4長海（生没年不詳）<>：
• 5頼秀（生没年不詳）<>：
• 6朝海（生没年不詳）<1655>：宝仙寺17世。1655年(明暦1年)8月29日弥勒寺住職[10]。
• 7清長（生没年不詳）<1671>：宝仙寺19世。智積院僧侶。宝仙寺を経て1671年(寛文11年)弥勒寺住職[11]。
• 8乗応（生没年不詳）<1674>：宝仙寺20世。智積院僧侶。宝仙寺を経て1674年(延宝2年)11月28日弥勒寺住職[12]。
• 9俊誉（生没年不詳）<1689>：宝仙寺23世。1689年(元禄2年)5月26日、弥勒寺住職[13]。以後、長谷寺末。俊与。
• 10英岳（1639-1712）<1691-1695>：長谷寺14世。長久寺10世。長久寺を経て1691年(元禄4年)6月15日、弥勒寺住職[14]。1695年(元禄8年)6月2日長谷寺化主[15]。
• 11快意（?-1724）<1695-1695>：護持院12世。護国寺3世。室生寺2世。1695年(元禄8年)2月、室生寺住職。同年7月18日、弥勒寺住職。同年11月28日、護国寺住職。（略歴は江戸・護持院#組織を参照）
• 12亮貞（1648-1719）<1695-1703>：長谷寺15世。護国寺4世。長久寺11世。長久寺を経て1695年(元禄8年)12月20日、弥勒寺住職[16]。1703年(元禄16年)4月5月、長谷寺化主[17]。
• 13隆慶（1649-1719）<1703-1707>：長谷寺17世。護持院14世。護国寺6世。長久寺12世。長久寺を経て1703年(元禄16年)4月24日、弥勒寺住職[18]。1707年(宝永4年)4月大護院住職[19]。
• 14秀慶（1653-1720）<1707-1716>：長谷寺18世。中島金剛院を経て1707年(宝永4年)4月、弥勒寺住職[20]。1716年(享保1年)1月、長谷寺化主[21]。
• 15尚彦（1666-1736）<1716-1722>：長谷寺20世。護国寺8世。1716年(享保1年)春、弥勒寺住職[22]。1722年(享保7年)12月5日、護国寺住職
• 16恵任（1665-1742）<1722-1730>：長谷寺22世。護国寺11世。宝仙寺29世。1722年(享保7年)12月、弥勒寺住職。1730年(享保15年)4月11日、護国寺住職。
• 17恵鏡（生没年不詳）<1730>：中島金剛院を経て1730年(享保15年)弥勒寺住職[23]。
• 18線如（?-1736）<1734-1736>：中島金剛院を経て1734年(享保19年)弥勒寺住職[24]。1736年(元文1年)11月30日死去[25]。
• 19信恕（1682-1760）<1736-1740>：長谷寺24世。護持院21世。護国寺13世。中島金剛院を経て1736年(元文1年)弥勒寺住職[26]。1740年(元文5年)4月14日護国寺住職
• 20宗纂（?-1744）<1740-1740>：護国寺14世。1740年(元文5年)5月12日、弥勒寺住職。同年、護国寺住職か。
• 21光星（1689-1775）<1740-?>：護持院23世。護国寺15世。玉蔵院14世。1740年(元文5年)12月28日、弥勒寺住職
• 22憲清（?-1749）<?-1746>：護持院22世。室生寺6世。1746年(延享3年)4月、護持院住職[27]。
• 23信證（生没年不詳）<>：
• 24能勝（?-1757）<1748-1751>：護国寺16世。宝仙寺34世。1748年(寛延1年)12月28日、弥勒寺住職。1751年(宝暦1年)1月19日、護国寺住職。
• 25栄淳（?-1753）<1751-1753>：玉蔵院15世。玉蔵院を経て1751年(宝暦1年)6月22日、弥勒寺住職[28]。1753年(宝暦3年)3月21日死去[29]。栄諄。
• 26長光（?-1763）<1758-1763>：北野寺を経て1758年(宝暦8年)10月12日、弥勒寺住職[30]。1763年(宝暦13年)9月24日死去[31]。
• 27栄慶（?-1765）<1763-1765>：三保谷広徳寺を経て1763年(宝暦13年)12月20日、弥勒寺住職[32]。1765年(明和2年)春、護持院後任住職をめぐって根生院周海と争う。同年10月23日死去[33]。
• 28快尊（1703-1773）<1766-1767>：長谷寺27世。玉蔵院17世。玉蔵院を経て1766年(明和3年)10月5日、弥勒寺住職[34]。1767年(明和4年)4月29日長谷寺化主。
• 29懐玄（?-1790）<1767-1773>：長谷寺31世。護持院26世。護持院19世。1767年(明和4年)弥勒寺住職。1773年(安永2年)8月24日護持院住職。
• 30虚明（1709-1788）<1773-1781>：長谷寺30世。中島金剛院を経て1773年(安永2年)弥勒寺住職[35]。1781年(天明1年)8月8日、長谷寺化主[36]。
• 31恵翁（?-1796）<?-1789>：護持院28世。護国寺21世。弥勒寺を経て1789年(寛政1年)3月4日、護持院住職
• 32心性（生没年不詳）<1790>：1790年(寛政2年)弥勒寺住職[37]。
• 33信応（?-1800）<1793-1797>：護持院31世。護国寺24世。1793年(寛政5年)5月26日、弥勒寺住職。1797年(寛政9年)4月5日護持院住職
• 34元栄（?-1802）<1797-1800>：長谷寺34世。護持院32世。護国寺25世。1797年(寛政9年)9月26日弥勒寺住職。1800年(寛政12年)12月21日、護持院住職
• 35盛尊（?-1804）<1801-1802>：長谷寺36世。護持院33世。護国寺26世。1801年(享和1年)3月10日弥勒寺住職。1802年(享和2年)9月11日、護持院住職
• 36高隆（1737-1808）<1803-1803>：長谷寺37世。護持院34世。護国寺27世。1803年(享和3年)1月16日、弥勒寺住職。同年7月11日護持院住職
• 37賢慶（?-1811）<1803-1804>：護持院35世。護国寺27世。1803年(享和3年)10月10日、弥勒寺住職。1804年(文化1年)9月7日護持院住職
• 38即同（?-1812）<1804-1808>：長谷寺38世。中島金剛院を経て1804年(文化1年)11月13日弥勒寺住職[38]。1808年(文化5年)11月3日長谷寺化主[39]
• 39浄宝（?-1812）<1809-1812>：石手寺を経て1809年(文化6年)2月16日弥勒寺住職[40]。1812年(文化9年)1月29日死去[41]。
• 40亮恭（1745-1829）<1812-1819>：長谷寺40世。中島金剛院を経て1812年(文化9年)7月13日、弥勒寺住職[42]。1819年(文政2年)3月26日長谷寺化主[43]。
• 41実阿（）<1819-1827>：長谷寺本願院を経て1819年(文政2年)10月7日、弥勒寺住職[44]。1827年(文政10年)2月18日退任[45]
• 42憲良（?-1828）<1827-1828>：箕田龍珠院を経て1827年(文政10年)5月20日弥勒寺住職[46]。1828年(文政11年)2月14日死去。憲亮。
• 43栄明（?-1842）<1828-1834>：長谷寺44世。乙訓寺を経て1828年(文政11年)12月11日、弥勒寺住職[47]。1834年(天保5年)2月19日長谷寺化主[48]。
• 44鏡真（?-1848）<1834-1841>：長谷寺45世。長谷寺本願院を経て1834年(天保5年)6月19日、弥勒寺住職[49]。1841年(天保12年)閏1月10日、長谷寺化主[50]。琳貞房。
• 45法信（?-1848）<1841-1846>：護持院43世。護国寺36世。1841年(天保12年)5月7日、弥勒寺住職。1846年(弘化3年)8月6日護持院住職
• 46果瑜（?-1850）<1847-1850>：乙訓寺を経て1847年(弘化4年)1月22日、弥勒寺住職[51]。1850年(嘉永3年)8月14日死去[52]。杲諭。太空房。
• 47永雅（1779-1856）<1850-1851>：長谷寺48世。中島金剛院を経て1850年(嘉永3年)11月8日、弥勒寺住職[53]。1851年(嘉永4年)10月29日長谷寺化主[54]。
• 48宥歓（?-1866）<1852-1857>：長谷寺50世。護持院46世。護国寺39世。1852年(嘉永5年)2月23日、弥勒寺住職。1857年(安政4年)5月12日、護持院住職。
• 49快照（生没年不詳）<1857-1863>：護持院47世。護国寺40世。1857年(安政4年)6月10日、弥勒寺住職。1863年(文久3年)8月5日護持院住職
• 50隆盛（1801-1872）<1863-1867>：長谷寺52世。護持院49世。護国寺42世。1863年(文久3年)11月9日弥勒寺住職。1867年(慶応3年)9月29日護持院住職
• 51快信（生没年不詳）<1869->：玉蔵院29世。長谷寺慈眼院を経て1851年(嘉永4年)12月2日玉蔵院住職[55]。1869年(明治2年)8月14日、弥勒寺住職[56]。良宣房。
• 52上野相憲（1832-1898）<>：長谷寺56世。
• 53俊道（）<>：
• 54岩堀智道（1861-）<1901->：長谷寺62世。1901年(明治34年)4月6日弥勒寺住職[57]。
• 55
• 56岩堀至道（1909-1982）<>：新義真言宗宗務総長。1982年10月6日死去。
• 57岩堀真至（）<>：

（富田学純『新義真言宗史』[58]）