越前・西福寺

出典：安藤希章著『神殿大観』（2011-） 最終更新：2022年4月19日 (火)

2022年4月19日 (火) 時点における最新版

西福寺（さいふくじ）は、福井県敦賀市にある浄土宗寺院。京都知恩院や本願寺のような御影堂と阿弥陀堂が並び建つ伽藍配置を持ち、境内の中心にある御影堂が本堂に当たると思われる。本尊は法然。阿弥陀堂は御影堂の西側に直角に位置する。かつては多くの塔頭を擁して北陸での浄土宗の中心的寺院の威容を誇る。開山の良如智水は元は大町門徒の浄土真宗僧。一条派の拠点だったが、良智道残の入寺で名越派となる。現在は浄土宗知恩院派の一般寺院。大原山。妙華院。（参考：同名寺院西福寺）

歴史

良如智水は浄土真宗大町専修寺開山の如導の子だが、浄土宗に帰参。清浄華院8世敬法に師事した。正平23年・応安元年（1368）、後光厳天皇の勅願で西福寺を創建。当初、融通念仏の道場として建てられたともいう。崇光上皇や後円融上皇の勅願所、足利義持や足利義教の祈願所となった。清浄華院を本山と仰ぎ、一条派の教えを伝え、20カ寺以上の塔頭があった。名越派の良智道残が入寺。良智道残は正親町天皇に帰依される。近世には金戒光明寺末となる。古写経を多く所蔵。裏山に妙華谷横穴という古墳時代の遺構があるが出土品はなく、不詳。

歴代

• 1良如智水（1344-1412）<>：
• 2良信（）<>：応永32年1月25日死去。
• 3浄鎮（）<>：
• 荀才（生没年不詳）<>：清浄華院27世。
• 亮叡（?-1587）<>：清浄華院30世。
• 35良智道残（ ?-1593）<>：金戒光明寺22世。清浄華院32世。
• 雲把（?-1645）<>：善蓮社妙誉。
• 25直為（1622-1681）<1669->：楽蓮社信誉。善也。
• 26誠入（?-1686）<>：行蓮社証誉
• 27了長
• 輪誉（）<1726->：法蓮社
• 真誉（）<>：正蓮社
• 秦義応（1834-1890）<1870->：増上寺74世。感蓮社交誉道阿真如海。
• 41秋浦定玄（）<1873-1899>：金戒光明寺60世。静誉。1873年1月27日から1899年まで西福寺住職。
• 43善誉芳淳
• 川合梁定（1859-1932）<1911-1927>：戒蓮社禅誉獅子奮迅阿
• 岩崎敲玄（1873-1948）<1942-1948>：証蓮社実誉研阿。本所霊山寺。
• 49鵜飼隆玄（1905-1990）<1967-1990>：知恩院執事長。證誉
• 50鵜飼良昌（1934-2021）<1990-2021>：自坊は野洲福泉寺。1934年生。1990年西福寺住職。2021年3月18日死去。静蓮社眠誉寂阿梦庵良昌。
• 51二橋信玄（1953-）<2021->：自坊は五個荘善覚寺。1953年生。仏教大学卒。1983年善覚寺住職。滋賀教区長。2021年4月、西福寺住職。戒誉。

参考文献

• 『国史大事典』
• 『日本歴史地名大系』

ほか