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浄土宗鎮西派名越流
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2017年4月15日 (土)
(名越派から転送)
名越流(なごえ・りゅう)は、良忠門下の良弁尊観(1239-1316)を派祖とする浄土宗の流派。鎮西派の関東三派の一つ。尊観が創建した鎌倉名越(なごえ)の善導寺が発祥地。東北地方を中心に広がり、下野円通寺、磐城専称寺、磐城如来寺、岩城成徳寺の4カ寺が拠点となった。特に専称寺は東北最大の浄土宗寺院となった。善光寺信仰と関わり深い。名越派、善導寺流、善導寺義とも。
歴史
名越流の広がった現在の福島県中東部(中通り、浜通り地方)には藤田流の寺院はなく、名越流の会津地方進出は藤田流が衰退した江戸時代以降であることから、中世には両流は住み分けしていたとも見られている(藤本顕通「藤田派の教線域と名越派の交渉」)。
一覧
- 鎌倉・善導寺:神奈川県鎌倉市。
- 鎌倉・安養院:神奈川県鎌倉市。善導寺の後身。
- 専称寺:福島県いわき市。
- 下野・円通寺:栃木県芳賀郡益子町。
- 如来寺:福島県いわき市。
- 成徳寺:福島県双葉郡広野町。
- 蝦夷・善光寺:北海道伊達市。
- 貞昌寺:津軽僧録所。津軽四方丈の一つ。
- 法王寺:津軽四方丈の一つ。
- 津軽・誓願寺:津軽四方丈の一つ。
- 津軽・本覚寺:津軽四方丈の一つ。
- 敦賀・西福寺:福井県敦賀市。良智道残が入寺して京都進出の足がかりとなる。
- 清浄華院:京都府京都市上京区。
- 金戒光明寺:京都府京都市左京区。
この他、袋中旧跡も参照。
人物
- 1法然:
- 2弁長:
- 3良忠:
- 4良弁尊観(1239-1316):派祖。北条朝時(名越朝時)の子。良忠の弟子。鎌倉名越に鎌倉・善導寺を創建。いくつかの著作があったが不詳。定蓮社。墓所は、善導寺後身の鎌倉・安養院にある。
- 5良慶明心:尊観の弟子。長野善光寺南大門のそばに談義所を開き、月形坊と称した。
- 6良山妙観:明心の弟子。如来寺開山。
- 7良天聖観:妙観の弟子。成徳寺開山。
- 良就十声:妙観の弟子。専称寺開山。
- 8良栄理本(1346-1428):良天聖観の弟子。円通寺開山。墓所不明。弟子の良頓が専称寺に入り、その門流が後世に続く。
- 良智道残(?-1593):円通寺10世良迦の弟子。敦賀・西福寺中興。清浄華院32世、金戒光明寺22世。
- 存易以八(1539-1614):捨世派の僧。袋中の実兄。安芸・光明院を創建。美作・誕生寺復興を助ける。行蓮社信誉。
- 良定袋中(1552-1639):琉球に渡る。墓所は西方寺。
- 良船貞伝:津軽本覚寺の中興開山。
- 良崇無能(1683-1719):鎮西名越流、捨世派の僧。持戒念仏を自誓。31歳で男根をたち、常坐不臥行を続けた。興蓮社良崇。墓所は無能寺。