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真宗本廟
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2022年2月19日 (土)
真宗本廟(しんしゅうほんびょう)は、京都府京都市下京区にある、親鸞を祀る仏教式霊廟。真宗大谷派。かつての東本願寺で、現在もそのように通称されるが、寺院としては、昭和62年(1987)に廃絶となった。(参考:同名寺院本願寺)
寺院ではないので、住職は存在しない。 東本願寺寺内町も参照。
造営 | 阿弥陀堂 | 御影堂 | 備考 |
---|---|---|---|
初代 | 1603年(慶長8年)11月遷仏式。 | 1604年(慶長9年)9月遷座式。長浜別院に移築。 | 阿弥陀堂、御影堂の順で建立。 |
2代目 | 1670年(寛文10年)3月再建。1788年(天明8年)1月、天明の大火で焼失。 | 1658年(万治1年)3月再建。1788年(天明8年)1月の天明の大火で焼失。 | 御影堂、阿弥陀堂の順で再建。 |
3代目 | 1798年(寛政10年)4月再建。1823年(文政6年)11月、失火で焼失。 | 1797年(寛政9年)3月再建。1823年(文政6年)11月、失火で焼失。 | 御影堂、阿弥陀堂の順で再建。 |
4代目 | 1835年(天保6年)3月再建。1858年(安政5年)6月、下京大火で焼失。 | 1835年(天保6年)3月再建。1858年(安政5年)6月、下京大火で焼失。 | 同時に再建し、御影堂、阿弥陀堂の順で遷座式。 |
5代目 | 1860年(万延1年)4月再建。1864年(元治1年)、禁門の変で焼失。 | 1860年(万延1年)4月再建。1864年(元治1年)、禁門の変で焼失。 | 同時に再建し、同時に遷座式か。 |
6代目 | 1895年(明治28年)4月再建。現存。 | 1895年(明治28年)4月再建。現存。 | 同時に再建し、阿弥陀堂、御影堂の順で遷座式。 |
境内周辺
- 御影堂:本尊は親鸞。「御真影」と呼ばれる木像で上野・妙安寺から奉遷されたものとされるが、異説もある。北の脇壇には蓮如、南の脇壇には前門の御影像(絵像)を奉掛する。また南の余間「十字の間」には十字名号、その左右に歴代門首(かつては住職)を2幅に連ねて描いた御影像を奉掛する。その南の余間「九字の間」には九字名号を掛ける。その南には「飛檐の間」がある。また北の余間「六軸の間」には教行信証を奉ずる。その北には「新六軸の間」・「御簾の間」がある。この奉掛様式は1992年の蓮如500回忌頃に変更されたもので、古いものではない。幅76m、奥行58m、高さ38m。木造。和様。真宗の伝統を伝える「道場形式」という。1880年起工。1895年竣工。17万5000枚の瓦を使用。内陣には幸野楳嶺や望月玉泉の障壁画がある。内陣・外陣合わせて927畳。内陣と外陣を隔てる上部には親鸞の大師号を記した勅額「見真」額が掲げられている。戦後、教団内で撤去運動が盛んとなったが降ろされたことはない。旧称は大師堂。
- 阿弥陀堂:本尊は阿弥陀如来。木像。北の脇壇に聖徳太子、南の脇壇に法然、北の余間に龍樹・天親・曇鸞、南の余間に道綽・善導・源信の御影像(絵像)を奉掛する。この奉掛様式は戦後に変更されたもので新しいものである。内陣全体が金箔で飾られ、『阿弥陀経』に説く極楽浄土の情景をイメージしている。1895年の竣工。幅52m、側面47m、高さ29m。内陣の両脇は羽田月洲・岸竹堂の襖絵で飾られている。
- 御影堂門:本尊は釈迦如来・弥勒菩薩・阿難。この木像は楼上に安置されており、無量寿経の会座を表現している。幅21m、奥行13m、高さ27m。山門とも。左右にある脇廊(山廊と呼ぶらしい)を含むと幅は45.2mとなる。1864年(元治1年)、禁門の変で焼失。1907年(明治40年)起工。1911年(明治44年)竣工。伏見宮貞愛親王から下賜された「真宗本廟」額が掲げられている。旧称は大師堂門。
- 阿弥陀堂門:唐門とも。1911年(明治44年)の竣工。四脚門。切妻造。檜皮葺。唐破風が正面に付く。
- 菊の門:1911年(明治44年)の竣工。唐門様式。四脚門。切妻造。檜皮葺。唐破風が正面に付く。かつての勅使門。京都府技師亀岡末吉の設計。
- 玄関門:1911年(明治44年)の竣工。薬医門。切妻造。瓦葺。
- 鐘楼:1604年(慶長9年)鋳造の梵鐘が2010年(平成22年)まで使われていた。1894年(明治27年)再建。
- 大寝殿:
- 宮御殿:1880年(明治13年)、京都御所内の旧大宮御所の建物を移築。来客の応接に用いる。
- 大玄関
- 白書院
- 能舞台
- 黒書院
- 桜下亭
- 参拝接待所
- 視聴覚ホール
- 同朋会館
- 式務所
- 研修道場
- 和敬堂
- 宗務所
- 京都教務所
- しんらん交流館
- 渉成園
- 大谷祖廟:飛地境内