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三社信仰
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2024年2月10日 (土)
(三社託宣から転送)
ここでいう三社とは三社託宣の神として知られる天照大神(伊勢神宮)・八幡大神(石清水八幡宮)・春日大神(春日大社)のことで、この組み合わせで祀る神社を列挙する。
正応年間(1288-1293)、伏見天皇皇子の聖珍法親王(東大寺別当132・137・139世。東南院門跡23世。三宝院門跡23世。醍醐寺座主69世。東寺長者)(?-1382)が東大寺の三社池で感得。池に託宣の文字が浮かび上がったのを写し取ったという。 また別の説として吉田家が得た託宣が起源であるともいう。
三神が下した託宣は次のような内容とされる。
- 天照皇太神宮:謀計雖為眼前利潤、必当神明罰、正直雖非一旦依怙、終蒙日月憐
- 八幡大菩薩:雖食鉄丸、不受心穢人物、雖座銅焔、不到心濁人処
- 春日大明神:雖曳千日注連、不到邪見家、雖為重服深厚、可赴慈悲室
正直、清浄、慈悲の三つの徳目が主張され、それぞれ、天照大神、八幡大神、春日大神の神徳とされた。吉田神道はこれを積極的に採用した。天照皇太神宮(中央)、八幡大菩薩(向かって右)、春日大明神(向かって左)の神号を揮毫し、託宣文を記した掛け軸を多く制作されたが、同様の配置で三神を祀る神社も成立した。