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近江神宮

出典：安藤希章著『神殿大観』（2011-） 最終更新：2022年12月7日 (水)

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[[file:近江神宮・楼門001.jpg|楼門|thumb|500px]]
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'''近江神宮'''（おうみ・じんぐう）は、滋賀県大津市神宮町の[[大津宮]]跡にある[[天智天皇]]を祀る[[霊社]]。第2次世界大戦敗戦後の1940年(昭和15年)12月、[[昭和天皇]]が白村江の戦いに敗れた天智帝に思いを馳せ、[[勅祭社]]に指定した。[[官幣大社]]・[[別表神社]]。
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|style="text-align:center;background-color:#ededed" colspan="2"|'''近江神宮'''<br>おうみ じんぐう
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|style="background-color:#ededed;width:100px;"|概要
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|天智天皇の霊廟。近江宮宮跡に鎮座する神社。
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|天智天皇<br>（土岐昌訓論文）
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|滋賀県大津市神宮町1-1
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|[[官幣大社]]・[[別表神社]]・[[勅祭社]]
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|[[天智天皇旧跡]]
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[[category:個別記事]]
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==歴史==
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===鎮座前===
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*1895年(明治28年)：大津市長西村又四郎ら「志賀宮址碑」建立を計画。
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*1897年(明治30年)：年末に'''「志賀宮址碑」竣工'''。[[山階宮]]晃親王筆。当時は跡地は確定してなかった。
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*1900年(明治33年)：近藤明ら有志、公爵近衛篤麿を会長として大津宮創建を計画する。
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*1903年(明治36年)：[[長等神社]]社司中村勝明・[[蝉丸神社]]社掌三上在也ら大津宮を創建を大津市長に建言。
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*1905年(明治38年)：[[天孫神社]]滋賀明嘉・[[大津・平野神社]]社司和田定協・[[三尾神社]]社司伊東忠三・[[日吉大社]]宮司伊藤紀・近藤明らが大津市参事会を提出。
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*1908年(明治41年)：大津市長西川太治郎、天智天皇奉祀神社の創立要望を発表
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*1908年(明治41年)：大津市崇敬会を組織。大津宮跡を整備。『大津宮天皇御事績考」を編纂。
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*1909年(明治42年)：大津市長西川太治郎ら、総理大臣・大蔵大臣・内務大臣に「大津宮創建請願書」を提出。
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*1909年(明治42年)：大津市長西川太治郎ら、帝国議会に大津宮創建請願書を提出し、委員会は採択。以後、請願が繰り返される。
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*1928年(昭和3年)：大津宮跡第1次発掘調査。
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*1932年(昭和7年)3月16日：'''滋賀県知事新庄裕次郎、内務省神社局長に天智天皇奉祀神宮創立計画書を提出。内意を得たという'''。この時の計画では社名は「志賀宮」、社格は県社、境内5000坪、造営費11万3500円。以後、本格化。
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*1934年(昭和9年)6月10日：滋賀県、神社奉祀調査会を設置（滋賀県告示第349号）。
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*1935年(昭和10年)2月8日：神社奉祀調査会の第1次委員会を開催。[[天智天皇陵]]を参拝。
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*1935年(昭和10年)6月10日：神社奉祀調査会の第2回小委員会を開催。「天智天皇奉祀神社創立大体調査書」を決定。祭神は天智天皇、社名は近江神宮、社号は神宮号、社格は官幣大社とする。第2次委員会で調査書を議了。近江神宮奉賛会規則制定。滋賀県庁内に近江神宮奉賛会を設立。
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*1935年(昭和10年)7月1日：天智天皇奉祀神宮創立具申書を作成。7月8日頃、神社局に提出。
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*1935年(昭和10年)9月13日：内務省で神社調査会開会、近江神宮創建の件が付議される。
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*1936年(昭和11年)3月30日：近江神宮奉賛会設立準備委員会、設置。
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*1936年(昭和11年)6月10日：天智天皇聖業奉謝大祭を執行。知事、議員など800人出席。天智天皇陵参拝。
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*1937年(昭和12年)6月9日：大津商業学校講堂で天智天皇御盛業奉謝大祭。近江神宮奉賛会設立準備委員会が主催。
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*1937年(昭和12年)7月16日：'''神社局長児玉九一から滋賀県庁に神社創建内定の報。'''
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*1937年(昭和12年)8月6日：神社局長より滋賀県知事に、正式に依命通牒到着。
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*1937年(昭和12年)10月12日：近江神宮奉賛会、設立。会長は県知事平敏孝。
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*1938年(昭和13年)2月12日：衆議院本会議で近江神宮創建費として国庫補助金12万円支出を可決。
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*1938年(昭和13年)5月1日：'''[[昭和天皇]]、天智天皇を奉祀する近江神宮の創立を命じ、官幣大社に列する'''（内務省告示第245号[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2959887/5]）。近江神宮奉賛会会長に公爵近衛文麿が就任。同日には[[平安神宮]]に[[孝明天皇]]合祀が命じられている。
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*1938年(昭和13年)6月10日：地鎮祭。[[多賀大社]]大和田宮司が奉仕。
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*1938年(昭和13年)8月：滋賀県、大津宮跡第二次発掘調査に着手。大津宮跡・[[南滋賀廃寺]]・[[崇福寺]]跡の発掘調査に着手。
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*1938年(昭和13年)10月21日：木造始祭。多賀大社大和田宮司が奉仕。
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*1939年(昭和14年)4月26日：近江神宮奉賛会総裁に[[高松宮]]就任。
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*1939年(昭和14年)5月10日：立柱上棟祭。
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*1939年(昭和14年)5月11日：近江神宮奉賛会発会式。
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*1939年(昭和14年)5月：'''崇福寺跡塔心礎から舎利容器が出土。'''
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*1939年(昭和14年)6月2日：近江神宮外苑運動場、計画まとまる。
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*1939年(昭和14年)11月6日：近江神宮奉賛会総裁奉戴式。高松宮が令旨
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*1939年(昭和14年)11月23日：昭和天皇、近江神宮奉賛会に金1封下賜。各宮家や王公家からも下賜金。
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*1939年(昭和14年)12月3日：本殿、8割完成。
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*1940年(昭和15年)3月：滋賀県、大津宮跡・崇福寺跡の調査終了。
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*1940年(昭和15年)9月：近江神宮外苑野球場・相撲場・庭球場、竣工。
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*1940年(昭和15年)9月27日：平田貫一、初代宮司に任命。
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*1940年(昭和15年)11月5日：勅使小出掌典、御霊代を奉じて大津駅に到着。本殿洗清・清祓。
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*1940年(昭和15年)11月6日：御装束読合の儀、御飾の儀、執行。
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*1940年(昭和15年)11月7日：'''午前9時、近江神宮、鎮座祭'''。「官幣大社近江神宮鎮座祭祭式及祝詞」[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2960644/2]。翌日奉祝祭。
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===鎮座後===
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*1940年(昭和15年)11月10日：紀元2600年奉祝祭。
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*1940年(昭和15年)12月2日：例祭日を4月20日に治定。（大津宮遷都の3月19日を太陽暦に改めたもの）
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*1941年(昭和16年)1月10日：初の天智天皇祭。
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*1941年(昭和16年)6月10日：初の漏刻祭。
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*1941年(昭和16年)6月14日：奉賛会会長・総理大臣の近衛文麿が参拝。
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*1941年(昭和16年)7月：昭和天皇、崇福寺出土品を滋賀県に下付し、滋賀県はこれを近江神宮に下付する。
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*1943年(昭和18年)12月：楼門上棟祭。
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*1944年(昭和19年)4月：神楽殿竣工。
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*1944年(昭和19年)11月5日：'''御造営竣功奉告祭'''。
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*1945年(昭和20年)1月25日：大化改新1300年祭
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*1945年(昭和20年)12月15日：神道指令。'''昭和天皇、近江神宮を平安神宮と共に[[勅祭社]]に指定する。'''
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*1946年(昭和21年)11月9日：侍従稲田周一参拝。
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*1953年(昭和28年)：楼門が一部焼失。
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*1956年(昭和31年)：楼門、再建。朱色となる。
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*1963年(昭和38年)：時計博物館、開館
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*1969年(昭和44年)4月22日：近江時計眼鏡宝飾専門学院、開校。
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*1974年(昭和49年)：錦織遺跡から大津宮跡の遺構が出土。所在地論争に決着。
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*1976年(昭和51年)4月1日：近江時計眼鏡宝飾専門学校に昇格。
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*2006年(平成18年)：高松宮御霊殿を移築して栖松遙拝殿とする。
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==概要==
 
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==奉斎==
 
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==由緒==
 
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==歴史==
 
==境内==
==境内==
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*本社
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*神楽殿
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*栖松遙拝殿：[[有栖川宮家御霊殿]]旧社殿
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File:近江神宮001.jpg|参道入口
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==組織==
==組織==
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*1平田貫一（1883-1971）<1940-1966>：神社本庁事務総長。神宮皇学館館長、再興皇学館大学初代学長。
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*2横井時常
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*佐藤久忠（1935-）<1988->
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|平田貫一
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|鹿児島県出身の内務官僚。[[神社本庁]]事務総長。[[神宮皇学館]]館長、再興[[皇学館大学]]初代学長。1883年(明治16年)生。1909年(明治42年)[[東京帝国大学]]法科大学政治科を卒業。農商務省に入省。鉱政課長、塩浦派遣軍政府部付を経て内務省に移り、社会曲第一部監督課長、兵庫県産業部長、岐阜県内務部長、栃木県内務部長、福岡県内務部長を経て1930年(昭和5年)8月、神宮皇学館10代館長。神社界との縁ができたのはこの時だという。大学昇格に奔走し、実現と共に1940年(昭和15年)4月、館長を退任した。同年9月、近江神宮の初代宮司に就任。神社本庁の設立準備委員を務め、初代滋賀県神社庁長となる（1962年(昭和37年)まで）。1946年(昭和21年)の一時期、[[多賀大社]]宮司を兼務。1948年(昭和23年)から1950年(昭和25年)まで神社本庁評議員会議長。1953年(昭和28年)3月5日、前職の辞任を受け急遽、神社本庁事務総長4代に就任し、5月までの残任期間を務める。1955年(昭和30年)1月19日、前職の死去で、神社本庁事務総長6代に再任。在任中、「敬神生活の綱領」を制定。翌年6月、事務総長を退任。1958年(昭和33年)神社本庁制度審議会委員長。1960年(昭和35年)神社本庁長老。1962年(昭和37年)、再興皇学館大学の初代学長となる。1963年(昭和38年)から1964年(昭和39年)まで皇学館大学理事長。1966年(昭和41年)5月31日に近江神宮宮司を退任。学長も同年退任。1971年(昭和46年)1月13日死去。87歳。著書『神道の本義とその展開』。
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|横井時常
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|1906-1998
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|1966-1988
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|古神道に傾倒した。愛知県出身。1906年(明治39年)生。1928年(昭和3年)神宮皇学館本科卒。[[鶴岡八幡宮]]禰宜を経て1939年(昭和14年)8月26日から1940年(昭和15年)12月27日まで[[藤島神社]]宮司。1940年(昭和15年)[[神祇院]]教務官。1941年(昭和16年)海軍省出向。1944年(昭和19年)神祇院教務官に復帰。1945年(昭和20年)から1948年(昭和23年)6月30日まで[[靖国神社]]権宮司。GHQと交渉。1959年(昭和34年)[[広島護国神社]]宮司。1966年(昭和41年)3月1日、近江神宮権宮司。5月31日、近江神宮宮司就任。1988年(昭和63年)6月30日まで。1998年(平成10年)1月27日死去。著書『縁起の本』『神道は仏教基教の母体』。
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|佐藤久忠
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|1935-
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|1988-
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|秋田県出身。1935年(昭和10年)生。[[国学院大学]]神道学専攻科修了。[[明治神宮]]禰宜を経て1988年(昭和63年)6月30日、近江神宮宮司。
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===権宮司===
===権宮司===
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*藤原三代治
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*河田晴夫
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*藤田勝重
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*藤原三代治（）<>：
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*藤巻正之（1877-1968）
+
*藤田勝重（）<>：
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*藤巻正之（1877-1968）<>：
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*武浪嗣一（1924-2017）<1968-1974>：（略歴は、[[日吉大社#組織]]を参照）
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==画像==
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*伊達俊雄（）<1988->：（略歴は、[[日吉大社#組織]]を参照）
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==資料==
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*近藤喜博1942「天智天皇に對する賛仰とその奉祀神社」[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1497228/2]
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+
*1960『天智天皇と近江神宮』[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2972841]
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==古典籍==
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==参考文献==
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*土岐昌訓　平成7「旧官国幣社と延喜式内社」『神社史の研究』
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-
==脚注==
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[[category:滋賀県]]
-
<references/>
+

2022年12月7日 (水) 時点における最新版

楼門

近江神宮（おうみ・じんぐう）は、滋賀県大津市神宮町の大津宮跡にある天智天皇を祀る霊社。第2次世界大戦敗戦後の1940年(昭和15年)12月、昭和天皇が白村江の戦いに敗れた天智帝に思いを馳せ、勅祭社に指定した。官幣大社・別表神社。

目次

歴史

鎮座前

  • 1895年(明治28年)：大津市長西村又四郎ら「志賀宮址碑」建立を計画。
  • 1897年(明治30年)：年末に「志賀宮址碑」竣工。山階宮晃親王筆。当時は跡地は確定してなかった。
  • 1900年(明治33年)：近藤明ら有志、公爵近衛篤麿を会長として大津宮創建を計画する。
  • 1903年(明治36年)：長等神社社司中村勝明・蝉丸神社社掌三上在也ら大津宮を創建を大津市長に建言。
  • 1905年(明治38年)：天孫神社滋賀明嘉・大津・平野神社社司和田定協・三尾神社社司伊東忠三・日吉大社宮司伊藤紀・近藤明らが大津市参事会を提出。
  • 1908年(明治41年)：大津市長西川太治郎、天智天皇奉祀神社の創立要望を発表
  • 1908年(明治41年)：大津市崇敬会を組織。大津宮跡を整備。『大津宮天皇御事績考」を編纂。
  • 1909年(明治42年)：大津市長西川太治郎ら、総理大臣・大蔵大臣・内務大臣に「大津宮創建請願書」を提出。
  • 1909年(明治42年)：大津市長西川太治郎ら、帝国議会に大津宮創建請願書を提出し、委員会は採択。以後、請願が繰り返される。
  • 1928年(昭和3年)：大津宮跡第1次発掘調査。
  • 1932年(昭和7年)3月16日：滋賀県知事新庄裕次郎、内務省神社局長に天智天皇奉祀神宮創立計画書を提出。内意を得たという。この時の計画では社名は「志賀宮」、社格は県社、境内5000坪、造営費11万3500円。以後、本格化。
  • 1934年(昭和9年)6月10日：滋賀県、神社奉祀調査会を設置（滋賀県告示第349号）。
  • 1935年(昭和10年)2月8日：神社奉祀調査会の第1次委員会を開催。天智天皇陵を参拝。
  • 1935年(昭和10年)6月10日：神社奉祀調査会の第2回小委員会を開催。「天智天皇奉祀神社創立大体調査書」を決定。祭神は天智天皇、社名は近江神宮、社号は神宮号、社格は官幣大社とする。第2次委員会で調査書を議了。近江神宮奉賛会規則制定。滋賀県庁内に近江神宮奉賛会を設立。
  • 1935年(昭和10年)7月1日：天智天皇奉祀神宮創立具申書を作成。7月8日頃、神社局に提出。
  • 1935年(昭和10年)9月13日：内務省で神社調査会開会、近江神宮創建の件が付議される。
  • 1936年(昭和11年)3月30日：近江神宮奉賛会設立準備委員会、設置。
  • 1936年(昭和11年)6月10日：天智天皇聖業奉謝大祭を執行。知事、議員など800人出席。天智天皇陵参拝。
  • 1937年(昭和12年)6月9日：大津商業学校講堂で天智天皇御盛業奉謝大祭。近江神宮奉賛会設立準備委員会が主催。
  • 1937年(昭和12年)7月16日：神社局長児玉九一から滋賀県庁に神社創建内定の報。
  • 1937年(昭和12年)8月6日：神社局長より滋賀県知事に、正式に依命通牒到着。
  • 1937年(昭和12年)10月12日：近江神宮奉賛会、設立。会長は県知事平敏孝。
  • 1938年(昭和13年)2月12日：衆議院本会議で近江神宮創建費として国庫補助金12万円支出を可決。
  • 1938年(昭和13年)5月1日：昭和天皇、天智天皇を奉祀する近江神宮の創立を命じ、官幣大社に列する（内務省告示第245号[1]）。近江神宮奉賛会会長に公爵近衛文麿が就任。同日には平安神宮に孝明天皇合祀が命じられている。
  • 1938年(昭和13年)6月10日：地鎮祭。多賀大社大和田宮司が奉仕。
  • 1938年(昭和13年)8月：滋賀県、大津宮跡第二次発掘調査に着手。大津宮跡・南滋賀廃寺・崇福寺跡の発掘調査に着手。
  • 1938年(昭和13年)10月21日：木造始祭。多賀大社大和田宮司が奉仕。
  • 1939年(昭和14年)4月26日：近江神宮奉賛会総裁に高松宮就任。
  • 1939年(昭和14年)5月10日：立柱上棟祭。
  • 1939年(昭和14年)5月11日：近江神宮奉賛会発会式。
  • 1939年(昭和14年)5月：崇福寺跡塔心礎から舎利容器が出土。
  • 1939年(昭和14年)6月2日：近江神宮外苑運動場、計画まとまる。
  • 1939年(昭和14年)11月6日：近江神宮奉賛会総裁奉戴式。高松宮が令旨
  • 1939年(昭和14年)11月23日：昭和天皇、近江神宮奉賛会に金1封下賜。各宮家や王公家からも下賜金。
  • 1939年(昭和14年)12月3日：本殿、8割完成。
  • 1940年(昭和15年)3月：滋賀県、大津宮跡・崇福寺跡の調査終了。
  • 1940年(昭和15年)9月：近江神宮外苑野球場・相撲場・庭球場、竣工。
  • 1940年(昭和15年)9月27日：平田貫一、初代宮司に任命。
  • 1940年(昭和15年)11月5日：勅使小出掌典、御霊代を奉じて大津駅に到着。本殿洗清・清祓。
  • 1940年(昭和15年)11月6日：御装束読合の儀、御飾の儀、執行。
  • 1940年(昭和15年)11月7日：午前9時、近江神宮、鎮座祭。「官幣大社近江神宮鎮座祭祭式及祝詞」[2]。翌日奉祝祭。

鎮座後

  • 1940年(昭和15年)11月10日：紀元2600年奉祝祭。
  • 1940年(昭和15年)12月2日：例祭日を4月20日に治定。（大津宮遷都の3月19日を太陽暦に改めたもの）
  • 1941年(昭和16年)1月10日：初の天智天皇祭。
  • 1941年(昭和16年)6月10日：初の漏刻祭。
  • 1941年(昭和16年)6月14日：奉賛会会長・総理大臣の近衛文麿が参拝。
  • 1941年(昭和16年)7月：昭和天皇、崇福寺出土品を滋賀県に下付し、滋賀県はこれを近江神宮に下付する。
  • 1943年(昭和18年)12月：楼門上棟祭。
  • 1944年(昭和19年)4月：神楽殿竣工。
  • 1944年(昭和19年)11月5日：御造営竣功奉告祭。
  • 1945年(昭和20年)1月25日：大化改新1300年祭
  • 1945年(昭和20年)12月15日：神道指令。昭和天皇、近江神宮を平安神宮と共に勅祭社に指定する。
  • 1946年(昭和21年)11月9日：侍従稲田周一参拝。
  • 1953年(昭和28年)：楼門が一部焼失。
  • 1956年(昭和31年)：楼門、再建。朱色となる。
  • 1963年(昭和38年)：時計博物館、開館
  • 1969年(昭和44年)4月22日：近江時計眼鏡宝飾専門学院、開校。
  • 1974年(昭和49年)：錦織遺跡から大津宮跡の遺構が出土。所在地論争に決着。
  • 1976年(昭和51年)4月1日：近江時計眼鏡宝飾専門学校に昇格。
  • 2006年(平成18年)：高松宮御霊殿を移築して栖松遙拝殿とする。

境内

参道入口

参道入口

鳥居

鳥居

参道

鳥居

社標

手水舎

楼門

楼門

楼門

楼門

楼門

楼門

楼門内側

外拝殿

外拝殿

外拝殿

外拝殿

外拝殿

外拝殿・裏側

内拝殿

内拝殿

内拝殿

内拝殿

内拝殿

本殿

神楽殿

神楽殿

神楽殿

栖松遙拝殿

栖松遙拝殿前の門

栖松遙拝殿脇の祠2社

栖松遙拝殿脇の祠2社

大津宮跡記念碑（錦織遺跡第1地点）

「志賀皇宮遺跡」碑（錦織遺跡第1地点）

学校

近江神宮外苑

近江神宮外苑

近江神宮外苑

近江神宮外苑

組織

宮司

代数 名前 生没 在職 略歴
1 平田貫一 1883-1971 1940-1966 鹿児島県出身の内務官僚。神社本庁事務総長。神宮皇学館館長、再興皇学館大学初代学長。1883年(明治16年)生。1909年(明治42年)東京帝国大学法科大学政治科を卒業。農商務省に入省。鉱政課長、塩浦派遣軍政府部付を経て内務省に移り、社会曲第一部監督課長、兵庫県産業部長、岐阜県内務部長、栃木県内務部長、福岡県内務部長を経て1930年(昭和5年)8月、神宮皇学館10代館長。神社界との縁ができたのはこの時だという。大学昇格に奔走し、実現と共に1940年(昭和15年)4月、館長を退任した。同年9月、近江神宮の初代宮司に就任。神社本庁の設立準備委員を務め、初代滋賀県神社庁長となる（1962年(昭和37年)まで）。1946年(昭和21年)の一時期、多賀大社宮司を兼務。1948年(昭和23年)から1950年(昭和25年)まで神社本庁評議員会議長。1953年(昭和28年)3月5日、前職の辞任を受け急遽、神社本庁事務総長4代に就任し、5月までの残任期間を務める。1955年(昭和30年)1月19日、前職の死去で、神社本庁事務総長6代に再任。在任中、「敬神生活の綱領」を制定。翌年6月、事務総長を退任。1958年(昭和33年)神社本庁制度審議会委員長。1960年(昭和35年)神社本庁長老。1962年(昭和37年)、再興皇学館大学の初代学長となる。1963年(昭和38年)から1964年(昭和39年)まで皇学館大学理事長。1966年(昭和41年)5月31日に近江神宮宮司を退任。学長も同年退任。1971年(昭和46年)1月13日死去。87歳。著書『神道の本義とその展開』。
2 横井時常 1906-1998 1966-1988 古神道に傾倒した。愛知県出身。1906年(明治39年)生。1928年(昭和3年)神宮皇学館本科卒。鶴岡八幡宮禰宜を経て1939年(昭和14年)8月26日から1940年(昭和15年)12月27日まで藤島神社宮司。1940年(昭和15年)神祇院教務官。1941年(昭和16年)海軍省出向。1944年(昭和19年)神祇院教務官に復帰。1945年(昭和20年)から1948年(昭和23年)6月30日まで靖国神社権宮司。GHQと交渉。1959年(昭和34年)広島護国神社宮司。1966年(昭和41年)3月1日、近江神宮権宮司。5月31日、近江神宮宮司就任。1988年(昭和63年)6月30日まで。1998年(平成10年)1月27日死去。著書『縁起の本』『神道は仏教基教の母体』。
3 佐藤久忠 1935- 1988- 秋田県出身。1935年(昭和10年)生。国学院大学神道学専攻科修了。明治神宮禰宜を経て1988年(昭和63年)6月30日、近江神宮宮司。

権宮司

  • 河田晴夫
  • 藤原三代治（）<>：
  • 藤田勝重（）<>：
  • 藤巻正之（1877-1968）<>：
  • 武浪嗣一（1924-2017）<1968-1974>：（略歴は、日吉大社#組織を参照）
  • 伊達俊雄（）<1988->：（略歴は、日吉大社#組織を参照）

資料

  • 近藤喜博1942「天智天皇に對する賛仰とその奉祀神社」[3]
  • 1960『天智天皇と近江神宮』[4]
「http://shinden.boo.jp/wiki/%E8%BF%91%E6%B1%9F%E7%A5%9E%E5%AE%AE」より作成

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