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興福寺大乗院
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)
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*35'''隆芳'''(松園尚嘉)(1840-1903):九条尚忠の次男。薬師寺別当。還俗して[[春日大社]]神職。松園男爵家初代。 | *35'''隆芳'''(松園尚嘉)(1840-1903):九条尚忠の次男。薬師寺別当。還俗して[[春日大社]]神職。松園男爵家初代。 | ||
(望月信亨『仏教大辞典 付録』、『日本仏家人名辞書』など。番号は新たに便宜上付した) | (望月信亨『仏教大辞典 付録』、『日本仏家人名辞書』など。番号は新たに便宜上付した) | ||
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2016年12月24日 (土) 時点における版
大乗院(だいじょういん)は、奈良県奈良市の法相宗興福寺の別当を務めた門跡寺院。廃絶。「飛鳥御殿」と呼ばれた。本尊は十一面観音、釈迦如来、阿弥陀如来(「興福寺諸堂縁起」)。(参考 同名寺院大乗院)
隆禅が寛治1年(1087)2月に創建。元は現在の奈良県庁あたりにあった。尋範が入寺して以来、摂家門跡となる。治承4年(1180)の平重衡の南都焼討で焼失。元興寺禅定院を譲り受けて移転。宝徳3年(1451)、徳政一揆で再び灰燼に帰した。翌年、関白一条兼良の子、尋尊が22歳で晋山。建物や庭園を復興させる様子は『大乗院寺社雑事記』に記録されている。 寛正6年(1465)から、将軍・足利義政の命で、善阿弥が作庭し、数十年かけて作られ、南都随一の名園と言われた。
明治維新で門跡は還俗し、松園男爵家となる。明治10年(1877)に土地建物が売却され、小学校や奈良ホテルの敷地となる。一部は大乗院庭園として復元され、当初の庭園が残存している。平成7年から発掘調査が行われた。
宮門跡であった一乗院と交互に興福寺別当を務めたが、石高を見ても、一乗院の下位にあったと思われる。「飛鳥御殿」と呼ばれたのは、禅定院の本坊である元興寺の旧名飛鳥寺に依るのだろうか。
(大乗院庭園しおり)
組織
住職
- 1隆禅(1038-1100):藤原政兼の子。大乗院開山。興福寺権別当、大安寺別当、長谷寺別当。
- 2頼実:内山永久寺を創建。
- 3尋範(1101-1174):藤原師実の子。興福寺別当。内山永久寺を継承。内山僧正。
- 4信円(1153-1224):藤原忠通の4男で慈円の兄。一乗院(10代)と大乗院の両門跡を兼務する。金峰山検校。興福寺別当。正暦寺を再興。菩提山本願僧正。
- 5実尊(1180-1236):藤原基房の子。興福寺別当。興福寺と多武峰寺との抗争の責任をとって辞任するがすぐに復職。
- 6円実(1214-1272):九条道家の子。興福寺別当。丹波配流。
- 7実信
- 8尊信(1226-1283):九条教実の子。興福寺別当。長谷寺別当。
- 9慈信
- 10尋覚(1282-1318):一条家経の子。興福寺別当。
- 11尋尊:望月仏教大辞典では「覚尊」
- 12聖信
- 13孝覚(1319-1368):九条房実の子。長谷寺別当、薬師寺別当、橘寺別当。興福寺別当。
- 14孝尊(生没年不詳):九条道教の子。
- 15孝尋(?-1428):鷹司冬通の子。興福寺別当。望月仏教大辞典では孝信の次。
- 16孝信(生没年不詳):九条経教の子。配流となった。
- 17孝円(1378-1410):九条経教の子。長谷寺別当・橘寺別当・薬師寺別当。興福寺別当。
- 18経覚(1395-1473):望月仏教大辞典になし。九条経教の子。興福寺別当。本願寺蓮如の師。
- 19尋実:望月仏教大辞典になし。
- 20尋尊(1430-1508):望月仏教大辞典になし。一条兼良の子。興福寺別当。長谷寺別当、薬師寺別当。『大乗院寺社雑事記』『大乗院日記目録』を著す。
- 21政覚:望月仏教大辞典になし。
- 22慈尋:望月仏教大辞典になし。
- 23経尋(1499-1526):九条尚経の子。
- 24尋円
- 25尋憲(1529-1585):二条尹房の子。興福寺別当。
- 26義尋:15代将軍足利義昭の子。
- 27信尊
- 28信雅
- 29信覚
- 30隆尊
- 31隆遍(1721-1777)
- 32隆範(1773-1829):
- 33隆実
- 34隆温(1811-1875):
- 35隆芳(松園尚嘉)(1840-1903):九条尚忠の次男。薬師寺別当。還俗して春日大社神職。松園男爵家初代。
(望月信亨『仏教大辞典 付録』、『日本仏家人名辞書』など。番号は新たに便宜上付した)