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律宗の人物旧跡
出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2021年9月14日 (火)
目次 |
中国
- 慧光(468-537):
- 智首(567-635):皇甫氏。智旻、道洪に師事。大禅定寺に住す。著書は『五部区分鈔』(散逸)。
- 法礪(569-635):律宗相部派(相部宗)の開祖。霊裕に師事。『四分律疏』『羯磨疏』などを著す。
- 道宣(596-667):律宗南山流(南山宗)の開祖。唐の湖州出身。銭氏。智首に師事。終南山に住す。一時、法礪に師事したこともある。『四分律行事鈔』『四分律羯磨』『釈門亡物軽重儀』『釈門章服儀』『釈門帰敬儀』『戒壇図経』『祇園寺図経』など律の重要典籍を著述。また『大唐内典録』『続高僧伝』『広弘明集』など。玄奘の経典漢訳に協力。西明寺に住す。道宣律師。南山律師。南書大師。諡号は澄照律師。
- 懐素(625-698):律宗東塔派(東塔宗)の開祖。
- 満意:律宗西塔派(西塔宗)の開祖。
- 元照:南山律資持派の祖。広慈慧才に南山律を学ぶ。『四分律行事鈔資持記』。霊芝寺に住した。霊芝菩薩と呼ばれる。
- 允堪:会正派の祖。
日本
飛鳥時代
- 道光:律宗第一伝。653年(白雉4年)、遣唐使に乗り、律を学ぶため入唐。678年(天武7年)帰国。道宣の『行事抄』を請来。勅により『依四分律抄撰録文』を提出する。
奈良時代
- 道セン(702-760):律宗第二伝。律宗・華厳宗の来日僧。唐の許州出身。衛氏。洛陽大福先寺の定賓に律を学ぶ。戒師を求める栄叡らの招請で菩提僊那らとともに来日し、東大寺大仏開眼の呪願師を務めた。『華厳経章疏』を初めて伝え、日本華厳宗の祖でもある。
- 隆尊(706-760):舎人親王に戒師の招請を建議。栄叡、普照の入唐、鑑真の来日につながったとされる。
- 栄叡(?-749):律宗の入唐僧。美濃出身。戒律の師を求めて天平5年(733)に普照とともに入唐。道センの招聘に成功。さらに鑑真の渡来に画策するが、その最中、端州龍興寺で客死。
- 普照(生没年不詳):律宗の入唐僧。戒律の師を求めて天平5年(733)に栄叡とともに入唐。道セン、鑑真の招聘に成功。東大寺唐禅院に住し、西大寺大鎮となる。業行。
- 鑑真(688-763):律宗第二伝。日本律宗の開祖となる。来日僧。東大寺戒壇院、唐招提寺を創建。
- 法進(709-778):天台宗の来日僧。唐の申州(あるいは明州)出身。王氏。鑑真に師事し、律と天台を学んだ。揚州白塔寺にいた。師とともに天平勝宝5年(753)に来日。鑑真の東大寺戒壇院創建を助け、その初代戒和上となった。東大寺唐禅院に住す。
- 如宝(731-815):来日僧。鑑真に師事し、ともに来日。
- 義静(生没年不詳):来日僧。鑑真に師事。揚州興雲寺住職。唐招提寺で経蔵を整備。
- 思託(生没年不詳):来日僧。鑑真に師事し、ともに来日。
- 法載(生没年不詳):来日僧。鑑真に師事し、ともに来日。法蔵。
- 豊安(764-840):三河出身。唐招提寺如宝に師事。唐招提寺5世となり伽藍整備を進める。平城上皇に授戒。
平安時代
- 最澄(767-822):日本天台宗開祖。鑑真の律を否定。大乗戒を主張。延暦寺戒壇院。
- 実範(?-1144):真言律宗唐招提寺流の僧。藤原氏。真言宗中川流の祖。中川寺を開く。唐招提寺を復興。本願。中川少将。少将上人。律学の衰微を嘆く興福寺の意向で『東大寺戒壇院受戒式』をしるす。
- 叡空(?-1179):黒谷流円頓戒の祖。
鎌倉時代
- 法然(1133-1212):浄土宗開祖。黒谷流円頓戒を継承。
- 貞慶(1155-1213):弟子覚真に命じて興福寺常喜院を開かせる。『戒律興行願書』を著す。
- 俊ジョウ(1166-1227):泉涌寺流の開祖。足かけ13年に渡り入宋。帰国後、自誓受戒。泉涌寺開山。月輪大師、大興正法国師。
- 覚盛(1194-1249):真言律宗。大和出身。福寺西金堂衆となり、常喜院で学ぶ。円晴、有厳、叡尊と東大寺法華堂で自誓受戒(通受)。唐招提寺を復興。大悲菩薩。 『菩薩戒通別二受抄』『菩薩戒通受遣疑抄』。
- 叡尊(1201-1290):真言律宗西大寺流の開祖。大和出身。興福寺の学侶慶玄の子。醍醐寺叡賢に師事。覚盛らと東大寺法華堂で自誓受戒(通受)。思円房。興正菩薩。
- 円晴:
- 忍性(1217-1303):大和出身。伴氏。真言律宗西大寺流。叡尊、覚盛に師事。鎌倉・極楽寺を創建。四天王寺別当。忍性菩薩。
- 円照(1220-1277):東大寺の僧。東大寺戒壇院中興と言われる。大和出身。藤原氏。叡尊、禅恵、良忠に師事。東大寺戒壇院主。円爾にも師事。東大寺大勧進職。実相。
- 恵尋(?-1289):天台僧。黒谷流円頓戒復興の先駆者。金戒光明寺4世。
- 証玄(1220-1292):真言律宗唐招提寺流の僧。覚盛に受戒。唐招提寺を継ぐ。円律。
- 導御(1223-1311):大和出身。大鳥広元の子。法金剛院、壬生寺の中興。唐招提寺証玄に師事。法隆寺夢殿で融通念仏を広めるように聖徳太子の託宣を得る。壬生寺、清涼寺などの大念仏会を実施した。円覚十万上人。
- 凝然(1240-1321):東大寺の僧。伊予出身。藤原氏。延暦寺戒壇院で受戒。東大寺円照に師事。華厳、倶舎、律、三論、法相、天台、真言、禅、浄土の各宗に精通し、『八宗綱要』などを記す。東大寺戒壇院長老、唐招提寺長老を務める。示観房。凝然大徳。示観国師。
- 宣瑜(1240-1325):叡尊に師事。伊勢弘正寺住職を経て西大寺3代長老。花園天皇の帰依を受けた。浄覚。
- 興円(1263-1317):比叡山で戒律復興を志す。元応寺を開く。伝信和尚。
- 湛睿(1271-1347):凝然、禅爾に師事。下総東禅寺などに住す。武蔵称名寺第3代長老となる。華厳学の大家でもあった。金沢文庫に多くの仏典の写本を残す。本如。
- 文観(1278-1357):真言律宗西大寺流の僧。立川流の大成者。播磨一乗寺で学び、叡尊のもとで律僧となる。大和・竹林寺長老。報恩院流を学ぶ。東寺大勧進、醍醐寺座主を歴任。弘真、文観房殊音、小野僧正。
- 円観(1281-1356):法勝寺を復興。興円に師事。後醍醐天皇に仕える。遠国四戒壇を設立。鎌倉宝戒寺開山。慧鎮(恵鎮)。慈威和尚。
- 無人如導(1284-1357):如導派の祖。
- 惟賢:円観の弟子。法勝寺流の祖
- 光宗:円観の弟子。元応寺流の祖。
南北朝・室町時代
- 真盛(1443-1495):天台律宗真盛派(現・天台真盛宗)の祖。西教寺開山。円戒国師、慈摂大師。
- 象耳泉奘(1518-1588):今川家の出身。唐招提寺57世。泉涌寺69世。伝香寺を創建。 (略歴は、唐招提寺#組織を参照)
近世
- 俊正明忍(1576-1610):真言律宗西明寺流の祖。各宗派にまたがる近世戒律復興運動の開祖。京都出身。中原氏。西大寺で学ぶ。高山寺で自誓受戒。槙尾西明寺(平等心王院、心王律院)を復興。明に渡ろうと対馬滞在中に客死。対馬海岸寺に墓地。(略歴は、京都・西明寺#組織を参照)
- 賢俊良永(1585-1647):真言律宗の僧。対馬出身。高野山の円通寺を復興。法隆寺北室院や叡福寺を兼務。(略歴は、高野山円通寺#組織を参照)
- 正専如周(1594-1647):泉涌寺80世?
- 真政円忍(1609-1678):真言律宗神鳳寺流の祖。高野山円通寺の良永に師事。円通寺、法隆寺北室院、神鳳寺を歴任。(略歴は、神鳳寺#組織を参照)
- 慈忍慧猛(恵猛)(1613-1662):真言律宗野中寺流の祖。泉涌寺の正専如周に師事する一方、槙尾西明寺の真空了阿にも学ぶ。さらに西大寺で伝法灌頂を受けた。野中寺を復興。(略歴は、野中寺#組織を参照)
- 唯称知空(1617-1680):浄土律宗壬生派の僧。
- 深草元政(1623-1668):日蓮宗草山派(草山律)の祖。京都出身。石井家。泉涌寺如周の法華経講話を聞き、感動。京都妙顕寺で出家。瑞光寺開山。深草元政。日政。日如。日峰。不可思議。泰堂。
- 宝山湛海(1629-1716):真言律宗の僧。真政円忍に師事。宝山寺の開山。仏像彫刻の名匠。(略歴は、宝山寺#組織を参照)
- 妙立慈山(1637-1690):天台律宗安楽律院流の開祖。最初、禅を学ぶが、天台宗に転派。比叡山で修行するが、大乗戒を否定し、南山律を主張したため、異議として追放された。泉涌寺や西明寺でも律を学ぶ。のち輪王寺宮公弁法親王が安楽律院流として認め、延暦寺安楽律院の中興の祖とみなされた。(略歴は、安楽律院#組織を参照)
- 覚彦浄厳(1639-1702):真言律宗霊雲寺流(如法真言律)の祖。上田氏。徳川綱吉の帰依を受けて霊雲寺を創建。新安祥寺流を大成。妙極堂、瑞雲道人。
- 忍徴信阿(1645-1711):浄土宗興律派(浄土律)の祖。西明寺、神鳳寺に入門しようとしたが、念仏を許されず、入らなかった。知恩院に晋山した万無に招かれ、京都の法然院を創建した。(略歴は、法然院#組織を参照)
- 性憲慈空(1646-1719):浄土律宗(浄土宗西山流)の僧。真言律宗の慈忍慧猛に師事し、菩薩戒を受ける。深草の真宗院を復興。
- 戒山慧堅(1649-1704):真言律宗の僧。黄檗宗鉄眼のもとで出家。野中寺慧猛に戒律を学ぶ。近江・安養寺を中興する。退耕道人。(略歴は、野中寺#組織を参照)
- 霊空光謙(1652-1739):天台律宗安楽律院流の第二祖。慈山妙立に師事。安楽律院を復興。江戸の寛永寺浄名律院や日光の輪王寺興雲律院も開いた。(略歴は、安楽律院#組織を参照)
- 玄門智幽(1666-1752):天台律宗安楽院派の第三祖。慈山妙立、霊空光謙に学ぶ。(略歴は、安楽律院#組織を参照)
- 慧光(1666-1734):覚彦浄厳の弟子。霊雲寺2世。東大寺戒壇院長老。現在の戒壇院本堂を再建する。(略歴は、東大寺戒壇院#組織を参照)
- 義瑞性慶(1667-1737):天台律宗安楽院派の僧。寺門派。井上氏。慈山妙立に師事するが、霊空とは対立した。園城寺法明院(法明律院)を中興。義瑞律師。
- 忍綱貞紀(1671-1750):
- 霊潭性澂(1676-1734):浄土宗興律派(浄土律)の祖ともされる。肥前出身。藤原氏。忍徴信阿に師事。律は真言律宗の安養寺戒山慧堅に学ぶ。京都に聖臨庵(照臨庵)を開く。
- 信培湛慧(1676-1747):浄土宗興律派(浄土律)の僧。京都出身。谷口氏。華開院息庵のもとで出家。霊潭性澂に戒律を学ぶ。京都長時院を再興。澄蓮社忍誉。
- 敬首祖海(1683-1748):浄土宗興律派(浄土律)の僧。増上寺で出家。忍徴信阿に師事。江戸の正受院を律院とする。浄土律院規則を定めた初めともいう。下谷寿永寺に埋葬され、同寺も律院となる。
- 恵深妙瑞(1696-1764):高野山円通寺8世。(略歴は、高野山円通寺#組織を参照)
- 諦忍妙龍(1705-1786):尾張・興正寺5世。真言宗、戒律、浄土教を研究。浄土宗白旗流の璽書を受けている。
- 本初密門(1707-1788):高野山円通寺の僧。有部律。
- 慈雲飲光(1718-1804):真言律宗高貴寺流(正法律)の祖。上月氏。摂津大坂出身。法楽寺で出家し、野中寺で受戒。高貴寺を開く。雲伝神道を創唱。慈雲尊者。慈雲飲光。
- 豪潮寛海(1749-1835):天台宗の僧侶。浄土真宗寺院の出身。尾張長栄寺を創建。宝篋印塔を各地に建てたという。
近代
- 釈雲照