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紫衣勅許寺院

出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-)

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*[[知恩院]]:
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*[[増上寺]]:1599年(慶長4年)、紫衣。1608年(慶長13年)常紫衣の綸旨
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*[[金戒光明寺]]:1610年(慶長15年)、紫衣。
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*[[金戒光明寺]]:1610年(慶長15年)、紫衣。引込紫衣地。
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*[[清浄華院]]:1558年(永禄1年)紫衣。
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*[[知恩寺]]
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*[[知恩寺]]:引込紫衣地。
*[[飯沼・弘経寺]]:1634年(寛永11年)、常紫衣の綸旨。
*[[飯沼・弘経寺]]:1634年(寛永11年)、常紫衣の綸旨。
*[[伝通院]]:1615年(元和1年)に常紫衣の綸旨を得た。
*[[伝通院]]:1615年(元和1年)に常紫衣の綸旨を得た。
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*[[佐太来迎寺]]:後村上天皇から常紫衣。戦乱で綸旨を焼失したため、1706年(宝永3年)、再度常紫衣の綸旨。
*[[佐太来迎寺]]:後村上天皇から常紫衣。戦乱で綸旨を焼失したため、1706年(宝永3年)、再度常紫衣の綸旨。
*[[高月院]]:
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*[[大樹寺]]:1606年(慶長11年)、後陽成天皇から紫衣
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*[[大樹寺]]:1606年(慶長11年)、後陽成天皇から紫衣。引込紫衣地。
*[[信光明寺]]
*[[信光明寺]]
*[[松応寺]]:1634年(寛永11年)3月27日、常紫衣の綸旨
*[[松応寺]]:1634年(寛永11年)3月27日、常紫衣の綸旨
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*[[宝台院]]:1628年(寛永5年)、後水尾天皇、紫衣。
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*[[宝台院]]:1628年(寛永5年)、後水尾天皇、紫衣。引込紫衣地。
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*[[江戸・天徳寺]]:紫衣。江戸名所図会
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*[[江戸・天徳寺]]:紫衣。江戸名所図会。引込紫衣地。
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*[[浅草誓願寺]]:1698年(元禄11年)用誉龍岳国龍は常紫衣を許可された。
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*[[浅草誓願寺]]:1698年(元禄11年)用誉龍岳国龍は常紫衣を許可された。引込紫衣地。
*[[英勝寺]]:1643年(寛永20年)、常紫衣の宣旨が下った。
*[[英勝寺]]:1643年(寛永20年)、常紫衣の宣旨が下った。
*[[勝願寺]]:1606年(慶長11年)8月23日、後陽成天皇より紫衣綸旨(寺蔵文書)。以後代々。
*[[勝願寺]]:1606年(慶長11年)8月23日、後陽成天皇より紫衣綸旨(寺蔵文書)。以後代々。
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*[[三鈷寺]]:1362年(正平17年/貞治1年)10月3日、後光厳天皇の綸旨で「浄土西山流根本地」とされ、住職は代々紫衣を着用し参内すると定められた。その綸旨が現存する。
*[[三鈷寺]]:1362年(正平17年/貞治1年)10月3日、後光厳天皇の綸旨で「浄土西山流根本地」とされ、住職は代々紫衣を着用し参内すると定められた。その綸旨が現存する。
*[[三河・妙心寺]]:1696年(元禄9年)、常紫衣の綸旨を参内して賜る(甲子夜話)。
*[[三河・妙心寺]]:1696年(元禄9年)、常紫衣の綸旨を参内して賜る(甲子夜話)。
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===臨済宗===
===臨済宗===
*[[大聖寺]]:
*[[大聖寺]]:

2021年7月20日 (火) 時点における版

紫衣下賜寺院は、天皇から歴代住職が紫衣を着用することを許可された寺院。紫衣地常紫衣

紫衣は多くの国家仏教制度と同じく、中国から輸入されたもの。基本的には僧侶個人に与えるものだが、その地位に付随することが多くなった。

本来は朝廷の権限だが、江戸時代には徳川幕府により厳しく統制された。そのためか近世に新たに許可された寺院は徳川家ゆかりの浄土宗寺院が多いようだ。宗派によって位置付けに差があり、浄土宗では多数の寺院が認められたが、近世の曹洞宗では永平寺総持寺の住職のみ認められた。青蓮院門跡が各宗派の紫衣を管轄したともいうが不詳。

目次

歴史

中国

  • 689年:則天武后が法朗ら9人に下賜。紫衣の初例。
  • 宋代の真宗皇帝、日本天台僧の寂照に紫衣を下賜。
  • 宋代の太宗皇帝、日本三論僧の奝然に紫衣を下賜。
  • 宋代との神宗皇帝、日本天台僧の成尋に紫衣を下賜。

日本

  • 735年(天平7年):聖武天皇、玄昉に紫袈裟を下賜。紫袈裟の初例。
  • 延喜式で御斎会の法服を講師は浅紫綾と定める
  • 1141年(永治1年)8月:鳥羽上皇、青蓮院行玄に紫の法衣(紫袍)を賜う。紫袍の初例。


  • 1613年(慶長18年):徳川幕府、「勅許紫衣法度」を制定。
  • 1615年(元和1年):徳川幕府、「禁中並公家諸法度」を制定。
  • 1627年(寛永4年):紫衣事件。
  • 1629年(寛永6年):紫衣事件で沢庵ら配流。
  • 1869年(明治2年)9月:維新政府は「永宣旨」停止を達したので、宣旨綸旨類は法的根拠を失い、紫衣勅許も無効となった。

一覧

紫衣法度

三上人

曹洞宗

  • 永平寺:1539年10月7日、後奈良天皇の綸旨で紫衣の出世道場だと再確認。
  • 総持寺:後醍醐天皇より紫衣。
  • 陸奥・正法寺:1616年の曹洞宗法度まで末代まで紫衣紅服。

浄土宗

  • 知恩院
  • 増上寺:1599年(慶長4年)、紫衣。1608年(慶長13年)常紫衣の綸旨
  • 金戒光明寺:1610年(慶長15年)、紫衣。引込紫衣地。
  • 清浄華院:1558年(永禄1年)紫衣。引込紫衣地。
  • 知恩寺:引込紫衣地。
  • 飯沼・弘経寺:1634年(寛永11年)、常紫衣の綸旨。
  • 伝通院:1615年(元和1年)に常紫衣の綸旨を得た。
  • 鎌倉光明寺:1495年(明応4年)、後土御門天皇から代々紫衣の綸旨(文書)。
  • 常陸・常福寺:1677年(延宝5年)、徳川光圀の奏達で常紫衣。
  • 大光院:1622年(元和8年)、常紫衣。
  • 霊巌寺
  • 善導寺:1623年(元和9年)、常紫衣の綸旨(寛延記)。
  • 法然寺:1775年(安永4年)、永代紫衣(和漢三才図会)。
  • 大阿弥陀経寺:後村上天皇、紫衣。
  • 佐太来迎寺:後村上天皇から常紫衣。戦乱で綸旨を焼失したため、1706年(宝永3年)、再度常紫衣の綸旨。
  • 高月院
  • 大樹寺:1606年(慶長11年)、後陽成天皇から紫衣。引込紫衣地。
  • 信光明寺
  • 松応寺:1634年(寛永11年)3月27日、常紫衣の綸旨
  • 宝台院:1628年(寛永5年)、後水尾天皇、紫衣。引込紫衣地。
  • 江戸・天徳寺:紫衣。江戸名所図会。引込紫衣地。
  • 浅草誓願寺:1698年(元禄11年)用誉龍岳国龍は常紫衣を許可された。引込紫衣地。
  • 英勝寺:1643年(寛永20年)、常紫衣の宣旨が下った。
  • 勝願寺:1606年(慶長11年)8月23日、後陽成天皇より紫衣綸旨(寺蔵文書)。以後代々。


  • 立政寺:1391年(元中8年/明徳2年)代々紫衣着用許可を得た。
  • 三河・大林寺:1710年(宝永7年)7月26日、常紫衣綸旨を賜った。
  • 三鈷寺:1362年(正平17年/貞治1年)10月3日、後光厳天皇の綸旨で「浄土西山流根本地」とされ、住職は代々紫衣を着用し参内すると定められた。その綸旨が現存する。
  • 三河・妙心寺:1696年(元禄9年)、常紫衣の綸旨を参内して賜る(甲子夜話)。

臨済宗

  • 大聖寺
  • 高源寺:一華碩由の時代に末代紫衣の宣旨(寺蔵文書)。
  • 霊源寺:常紫衣
  • 興聖寺:東山天皇が1701年(元禄14年)に常紫衣とする(坊目誌)
  • 永源寺:後奈良天皇、「紫衣の出世道場」て天龍寺と同格とする。
  • 常陸・法雲寺:江戸時代は代々紫衣。

日蓮宗

  • 久遠寺
  • 肥後・本妙寺:熊本県熊本市西区花園。日蓮宗。1605年(慶長10年)、後陽成天皇の勅願寺となり1606年(慶長11年)永代紫衣を許された(日本歴史地名大系)。
  • 瑞龍寺門跡
  • 池上本門寺:1725年(享保10年)12月3日、中御門天皇から永代紫衣綸旨(旧蔵文書)。
  • 天妙国寺:日延が中興の時に紫衣を賜り、永規となす(江戸名所図会)

その他

未確認

常紫衣、または一代紫衣と思われるが未確認

  • 三河・円福寺:元は京都。1661年(寛文1年)紫衣。
  • 景愛寺
  • 妙顕寺
  • 国泰寺:1327年(嘉暦2年)、後醍醐天皇より紫衣。
  • 誓願寺:1619年(元和5年)紫衣。
  • 退休寺:1386年(元中3年/至徳3年)、後小松天皇紫衣。
  • 肥後・大慈寺:1294年(永仁2年)3月10日、伏見天皇より紫衣綸旨(大慈寺文書)。
  • 大念仏寺:1694年(元禄7年)紫衣。
  • 徳雲寺:4-8世は紫衣。
  • 龍光寺:1554年(天文23年)、後奈良天皇紫衣綸旨
  • 遠江・方広寺:1864年(元治1年)、孝明天皇から紫衣。
  • 尾張・曼陀羅寺:開山以来、紫衣着用だったが、1492年(明応1年)の火災で綸旨が焼失し断絶。1541年(天文10年)、香衣綸旨を後奈良天皇より得たが紫衣綸旨は得られなかった。


琉球

http://shinden.boo.jp/wiki/%E7%B4%AB%E8%A1%A3%E5%8B%85%E8%A8%B1%E5%AF%BA%E9%99%A2」より作成

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