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菩薩信仰

出典:安藤希章著『神殿大観』(2011-) 最終更新:2022年2月24日 (木)

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(?密教)
(?日本の高僧)
 
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===その他===
===その他===
*常不軽菩薩:『法華経』に登場。[[釈迦]]の前世。[[日蓮]]が深く信仰。不軽菩薩ともいう。
*常不軽菩薩:『法華経』に登場。[[釈迦]]の前世。[[日蓮]]が深く信仰。不軽菩薩ともいう。
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*法蔵菩薩:[[阿弥陀如来]]の修行時代の名(『大無量寿経』)。
*救脱菩薩:『薬師経』に登場。[[秋篠寺]]に像がある。
*救脱菩薩:『薬師経』に登場。[[秋篠寺]]に像がある。
*[[法起菩薩]]:『華厳経』に登場し、金剛山に住むとされる。[[葛城山]]が金剛山とみなされ、[[転法輪寺]]の本尊となる。また[[西国三十三所観音霊場]]の創設者[[徳道]]の本地仏ともされる。
*[[法起菩薩]]:『華厳経』に登場し、金剛山に住むとされる。[[葛城山]]が金剛山とみなされ、[[転法輪寺]]の本尊となる。また[[西国三十三所観音霊場]]の創設者[[徳道]]の本地仏ともされる。
*[[大隋求菩薩]]:『大随求陀羅尼経』に登場?[[清水寺]]随求堂に祭られる。
*[[大隋求菩薩]]:『大随求陀羅尼経』に登場?[[清水寺]]随求堂に祭られる。
 +
*馬明菩薩:法華経に登場。養蚕の守護神
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*勇施菩薩:『法華経』に登場し、釈迦に布施する菩薩。
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*常啼菩薩:『般若経』や『大智度論』に登場する菩薩。
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*堅意菩薩:『首楞厳経』に登場する菩薩。
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*香象菩薩:『維摩経』に登場する菩薩。芳香を放つ。
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*音声菩薩:
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*供養菩薩:
===菩薩グループ===
===菩薩グループ===
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**[[文殊菩薩]]
**[[文殊菩薩]]
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*[[薬師如来]]の眷属:『薬師経』に基づく。
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*[[薬師如来]]の眷属:[[玄奘]]訳『薬師経』に基づく。
**日光菩薩
**日光菩薩
**月光菩薩
**月光菩薩
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**[[弥勒菩薩]]
**[[弥勒菩薩]]
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*[[阿弥陀如来]]の'''二十五菩薩''':阿弥陀如来の眷属。来迎のときに阿弥陀仏と共に迎えに来るという。来迎会で祭られる。『往生要集』に引く『十往生経』が出典。'''聖衆'''とも呼ぶ。
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*[[阿弥陀如来]]の'''二十五菩薩''':阿弥陀如来の眷属。来迎のときに阿弥陀仏と共に迎えに来るという。来迎会で祭られる。[[源信]]著『往生要集』に引く『十往生経』が出典。'''聖衆'''とも呼ぶ。
**[[観世音菩薩]]
**[[観世音菩薩]]
**[[勢至菩薩]]
**[[勢至菩薩]]
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*[[法華経]]の四菩薩:『法華経』涌出品に登場する菩薩。'''地涌の菩薩'''とも呼ばれる。
*[[法華経]]の四菩薩:『法華経』涌出品に登場する菩薩。'''地涌の菩薩'''とも呼ばれる。
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**上行菩薩
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**上行菩薩:四菩薩の筆頭で、[[日蓮]]は自ら上行菩薩の生まれ変わりとの自覚のもと、活動した。
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**無辺行菩薩
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**無辺行菩薩:[[日興]]は無辺行菩薩の生まれ変わりと称した。
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**浄行菩薩
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**浄行菩薩:'''浄行堂'''などとして[[日蓮宗]]寺院に祀られることが多い。
**安立行菩薩
**安立行菩薩
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====禅宗====
====禅宗====
-
*[[放光菩薩]] 地蔵と観音の二尊
+
*[[放光菩薩]] 地蔵と観音の二尊。日本曹洞宗独自の尊格。
===菩薩部に入らないもの===
===菩薩部に入らないもの===
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*[[般若菩薩]]
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*[[般若菩薩]]:[[仏母尊]]の一。仏母般若ともいう。
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*[[妙見菩薩]]
+
*[[多羅菩薩]]:仏母尊の一。ターラー。救度仏母ともいう。
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*[[大権修利菩薩]]
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*[[妙見菩薩]](北辰菩薩):北極星を神格化した[[護法神]]。[[道教]]由来か。尊星王、北辰妙見大菩薩。
 +
*[[大権修利菩薩]]:[[阿育王山]]の鎮守神。大権修理菩薩とも。曹洞宗の護法神とされる。
===高僧の通称・諡号===
===高僧の通称・諡号===
====インド・中国などの高僧====
====インド・中国などの高僧====
-
*[[龍樹菩薩]] 龍猛菩薩。真言宗付法八祖の第三祖
+
*馬鳴菩薩(100?-?):馬鳴。古代インドの仏教詩人。仏教文学の開祖という。カニシカ王の顧問。
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*龍智菩薩 真言宗付法八祖の第四祖
+
*[[龍樹菩薩]](150?-250?):龍樹。南インド出身の学僧で、[[大乗仏教]]の事実上の開祖。『中論』で空の思想を確立し、[[中観派]]の祖となった。中観思想は[[天台宗]][[禅宗]]の成立に関わり、また『十住毘婆沙論』で初めて易行念仏を主張したことから[[浄土教]]の祖とされ、金剛薩埵が建てた[[南天鉄塔]]を発見し、収められていた経典を継承し、[[密教]]の祖になったともされる。[[真言宗]][[真言宗の諸師旧跡|付法八祖]]の第三祖。龍樹大士、龍勝、龍猛菩薩ともいう。
-
*[[天親菩薩]] 世親
+
*龍智菩薩(生没年不詳):龍智。インドの密教僧。真言宗の付法八祖の第四祖。
-
*[[無著菩薩]]
+
*敦煌菩薩(月支菩薩)(239-316):竺法護。『[[正法華経]]』などを漢訳した、西晋時代の訳経僧。敦煌の出身。古訳時代の代表的な訳僧。
-
*敦煌菩薩(月支菩薩) 竺法護
+
*[[無著菩薩]](310?‐390?):無著(むじゃく)。インドの[[唯識]]学僧。[[上座部]][[説一切有部]]から[[大乗仏教]]に転向。弟世親とともに唯識派の教学を大成した。
-
====日本の高僧====
+
*[[天親菩薩]](320?-400?):世親。インドの唯識学僧。無着の弟。『倶舎論』を著す。上座部の説一切有部から大乗仏教に転向。兄とともに唯識派の教学を大成し、のちの[[法相宗]]の教学の基礎を築く。
-
*[[仁聞菩薩]](生没年不詳):[[六郷満山]]の開山。[[八幡神]]の化身。
+
*皇帝大菩薩(464-549):武帝。[[]]の初代皇帝。中国歴代の崇仏皇帝の中でも代表的な人物。建康([[南京]])に同泰寺([[鶏鳴寺]])を創建。
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*[[照見大菩薩]](生没年不詳):[[出羽三山]]の開山。蜂子皇子。
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*[[神変大菩薩]](生没年不詳):[[修験道]]の開祖。役小角。寛政11年1月25日宣下
+
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*[[行基菩薩]](668-749):
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*[[金粛菩薩]](金鷲菩薩)(689-773):良弁。
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*寂仙菩薩(?-758):[[石鎚山]]の行者。[[嵯峨天皇]]の前世と言われる。
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*[[徳一菩薩]](749-824?):法相宗の僧侶。
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*華厳菩薩():妙行。
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*[[悉地菩薩]](910-1007):平安時代の天台宗僧侶。性空。[[霧島山]]の開山。[[播磨・円教寺]]開山。
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*[[皇円大菩薩]](生没年不詳):天台宗の僧侶。法然の師。
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*[[慧光菩薩]](1133-1212):[[浄土宗]]開祖法然。文治4年宣下 
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*大悲菩薩(1194-1249):真言律宗唐招提寺流の僧侶。覚盛。天徳2年8月宣下
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*[[興正菩薩]](1201-1290):真言律宗西大寺流の開祖。叡尊。正安2年7月宣下
+
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*忍性菩薩(1217-1303):真言律宗西大寺流の僧侶。叡尊の弟子。嘉暦3年5月宣下
+
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*[[日蓮大菩薩]](1222-1282):[[日蓮宗]]開祖。
+
-
*[[日朗菩薩]](1245-1320):日蓮宗の僧侶。日蓮の弟子。
+
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*[[日像菩薩]](1269-1342):日蓮宗の僧侶。日朗の弟子。
+
-
*澄円大菩薩(1290-1371):浄土宗の僧侶。智満。[[大阿弥陀経寺]]開山 。永康元年宣下。
+
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*光居菩薩(1314-1403):浄土宗の僧侶。智通。[[立政寺]]開山。応永8年宣下
+
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宣下年は日本社寺大観による
+
 
 +
====日本の高僧====
 +
*[[照見大菩薩]](生没年不詳):蜂子皇子(はちこのみこ)。[[出羽三山]]を開山したとされる皇族出身の飛鳥時代の僧。[[崇峻天皇]]皇子で、聖徳太子のいとこ。文政6年(1823)、羽黒山別当覚諄の請願で「照見大菩薩」号宣下。能除太子ともいう。
 +
*[[上宮菩薩]](574-622):聖徳太子。[[日本仏教]]の開祖。上宮皇太子菩薩ともいう。
 +
*[[神変大菩薩]](生没年不詳):役小角(えんのおづぬ)。[[修験道]]の開祖とされる飛鳥時代の人物。寛政11年(1799)1月25日、朝廷から「神変大菩薩」号宣下(『日本社寺大観』)。役行者ともいう。
 +
*[[仁聞菩薩]](生没年不詳):仁聞(にんもん)。[[六郷満山]]を開いた奈良時代の僧。[[八幡神]]の化身。人聞菩薩、神母菩薩ともいう。
 +
*近江天皇菩薩(626-671):[[天智天皇]]の『延暦僧録』での表記。
 +
*[[行基菩薩]](668-749):行基。[[東大寺]]大仏造立を手掛けた奈良時代の僧。民間の聖僧として各地を行脚し、多くの寺院を建てたという。行基大菩薩。
 +
*[[金粛菩薩]](689-773):良弁。東大寺を創建した奈良時代の僧。金鷲菩薩、金鐘行者ともいう。
 +
*釈浄三菩薩(693-770):文室浄三(智努王)の『延暦僧録』での表記。薬師寺に伝わる仏足石を造立。
 +
*舎利菩薩(生没年不詳):舎利尼。奈良時代の尼僧。本名不詳。特異な生誕伝説を持つ。『日本霊異記』下巻第19話に登場。
 +
*南菩薩(生没年不詳):永興。奈良時代の法相宗僧。[[熊野]]で修行していたという。十禅師。
 +
*寂仙菩薩(?-758):寂仙。奈良時代の[[石鎚山]]の行者。死の直前に国王の子として生まれ変わると予言し、[[嵯峨天皇]]となったともいう。
 +
*勝宝感神聖武皇帝菩薩(701-756):[[聖武天皇]]の『延暦僧録』での表記。
 +
*天平仁政皇后菩薩(701-760):[[光明皇后]]の『延暦僧録』での表記。
 +
*[[徳一菩薩]](749-824?):徳一(とくいつ)。奈良時代・平安時代の法相宗僧。奈良で学んだのち、陸奥で布教して[[会津・恵日寺]]などを開く。
 +
*長岡天皇菩薩(737-806):[[桓武天皇]]の『延暦僧録』での表記。
 +
*感瑞応祥皇后菩薩(760-790):藤原乙牟漏の『延暦僧録』での表記。
 +
*広智菩薩(生没年不詳):広智。[[円仁]]の師にあたる平安時代の天台僧。[[大慈寺]]3世。[[鑑真]]弟子の道忠に学ぶ。
 +
*華厳菩薩(生没年不詳?):妙行。平安時代の僧。武蔵八王子の地名起源説話に登場。
 +
*[[悉地菩薩]](910-1007):性空。[[播磨・円教寺|円教寺]]を開いた平安時代の天台僧。[[霧島山]]の開山でもある。
 +
*[[皇円大菩薩]](生没年不詳):皇円。駿河[[桜ケ池]]に龍身入定した平安時代の天台僧。[[法然]]の師。『扶桑略記』を記したという。
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*[[慧光菩薩]](1133-1212):法然。平安時代末から鎌倉時代初の天台僧で、[[浄土宗]]の開祖。文治4年(1188)宣下。恵光菩薩とも表記。
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*蓮阿菩薩(1184-1252):良遍。
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*大悲菩薩(1194-1249):覚盛。鎌倉時代の[[真言律宗]][[唐招提寺流]]の僧。中世の[[律宗]]復興運動の先駆けとなる。[[唐招提寺]]を復興し、[[鑑真]]の再来と呼ばれた。天徳2年8月宣下?(『日本社寺大観』)
 +
*[[興正菩薩]](1201-1290):叡尊。鎌倉時代に活躍した、真言律宗[[西大寺流]]の開祖。[[西大寺]]を復興した。正安2年(1300)7月宣下(『日本社寺大観』)。
 +
*[[忍性菩薩]](1217-1303):忍性。鎌倉時代に活躍した、真言律宗西大寺流の僧。叡尊の高弟。[[鎌倉]][[鎌倉・極楽寺|極楽寺]]を開く。[[文殊菩薩]]を篤く信仰。嘉暦3年(1328)5月宣下(『日本社寺大観』)。
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*[[日蓮大菩薩]](1222-1282):日蓮。[[日蓮宗]]の開祖。[久遠寺]]などを開く。延文2年(1357)、孫弟子にあたる[[大覚]]の活躍で[[後光厳天皇]]から「日蓮大菩薩」号を与えられたという。
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*[[儀空菩薩]](1239-1287):一向俊聖。1290年に朝廷より義空菩薩号を賜ったという(葉山古錦)
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*[[日朗菩薩]](1245-1320):日朗。師の日蓮が没した[[池上本門寺]]を継承し、その基礎を築いた鎌倉時代の僧。[[六老僧]]の一人。延文2年(1357)、孫弟子にあたる大覚の活躍で後光厳天皇から「日朗菩薩」号を与えられたという。
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*[[日像菩薩]](1269-1342):日像。京都に初の日蓮宗の勅願寺[[妙顕寺]]を創建した鎌倉時代の僧。日朗の弟子、日蓮にも師事した。延文2年(1357)、弟子の大覚の活躍で後光厳天皇から「日像菩薩」号を与えられたという。
 +
*澄円大菩薩(1290-1371):智満。入元し、[[廬山]][[東林寺]]で学び、堺に[[大阿弥陀経寺]]を開いた浄土宗僧。永康元年宣下?(『日本社寺大観』)。
 +
*義南菩薩(生没年不詳):南北朝時代の臨済宗僧。宗峰妙超に学ぶ。入元して中峰明本の法を嗣ぐ。順帝から菩薩号を賜る。1350年(正平5年/観応1年)帰国。(日本人名大辞典)
 +
*光居菩薩(1314-1403):智通。南北朝・室町時代の浄土宗僧。[[立政寺]]開山。応永8年(1401)宣下(『日本社寺大観』)。
 +
*[[木喰五行菩薩]](1718-1810):行道。江戸時代の木喰僧。木喰上人、木喰五行明満、木喰菩薩。
===神号===
===神号===
-
*[[八幡大菩薩]]
+
*[[八幡大菩薩]]:八幡神、[[応神天皇]]。総本社は[[宇佐神宮]]。「護国霊験威力神通大自在王菩薩」ともいい、大自在王菩薩との関連も指摘される。
-
**[[宝満大菩薩]]
+
**[[宝満大菩薩]]:[[宝満山]]の神。総本社は[[竈門神社]]。
-
**[[高良大菩薩]]
+
**[[高良大菩薩]]:高良神。総本社は[[高良大社]]。
-
**[[聖母大菩薩]]
+
**[[聖母大菩薩]]:聖母神。[[神功皇后]]。総本社は[[香椎宮]]?
-
*[[白山妙理菩薩]]
+
*[[多度大菩薩]]:多度神。総本社は[[多度大社]]。
-
*[[浅間大菩薩]]
+
*[[白山妙理菩薩]]:白山比売神。総本社は[[白山比〓神社]]。
-
**[[仙元大菩薩]]
+
*[[浅間大菩薩]]:浅間神。総本社は[[浅間大社]]。
-
*[[最上位経王大菩薩]]
+
**[[仙元大菩薩]]:[[角行系富士信仰]]の神。
-
*[[慈悲万行菩薩]]
+
*[[最上位経王大菩薩]]:稲荷神。[[最上稲荷]]での呼称。
 +
*[[慈悲万行菩薩]]:春日神。総本社は[[春日大社]]。
 +
*[[大智明菩薩]]:[[伯耆大山]]の[[大神山神社]]の神。本地は地蔵菩薩。
 +
*[[水無大菩薩]]:[[水無神社]]の神
 +
*[[覚満大菩薩]]:[[赤城神社]]の神の一柱。
 +
*[[南宮大菩薩]]:[[敢国神社]]の神
 +
*[[七面大菩薩]]:七面天女
 +
*[[気多不思議智満大菩薩]]:[[気多大社]]の神。本地は地蔵菩薩。気多大菩薩。
 +
 
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*薬師菩薩明神:[[大洗磯前神社]]と[[酒列磯前神社]]に祭られる。「薬師菩薩」の意味は不詳。
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*大社大明神金剛覚印菩薩:[[伊香具神社]]の神。
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 +
*『恒例修正月勧請神名帳』(『群書類従』所収)冒頭に記載の菩薩号を持つ神祇
 +
**金峰山大菩薩:[[金峰山寺]]蔵王堂
 +
**熊野大菩薩:[[熊野本宮大社]]。
 +
**八幡大菩薩:[[八幡神]]
 +
**那智大菩薩:[[熊野那智大社]]。
 +
**瀧蔵大菩薩:[[長谷寺]]鎮守の[[瀧蔵神社]]
 +
**住吉大菩薩:[[住吉大社]]
 +
**比叡大菩薩:[[日吉大社]]
 +
**白山大菩薩:[[白山比〓神社]]
 +
**竹生島大菩薩:[[都久夫須麻神社]]
 +
**立山大菩薩:[[雄山神社]]
 +
**広田大菩薩:[[広田神社]]
 +
**大智明大菩薩:[[大神山神社]]
 +
**頭隠大菩薩:[[戸隠神社]]
 +
**法幢法護大菩薩:[[京都・法輪寺]]の鎮守神で、[[虚空蔵菩薩]]を本地とする(『源平盛衰記』)。法幢は法童とも記す。東大寺修二会神名帳では「法童法護両所大菩薩」とあり、法幢と法護は別の神とも考えられる。
 +
**走湯大菩薩:[[伊豆山神社]]
 +
**興願大菩薩:不詳。
 +
**多度大菩薩:[[多度大社]]
 +
**八孫大菩薩:[[弥彦神社]]
 +
**諏訪大菩薩:[[諏訪大社]]
 +
**妙見大菩薩:[[妙見菩薩]]
==参考文献==
==参考文献==

2022年2月24日 (木) 時点における最新版

菩薩信仰 

目次

概要

菩薩。菩提薩埵。 単に大菩薩といった場合、八幡大菩薩を意味するときがある。

系譜

主なもの

その他

  • 常不軽菩薩:『法華経』に登場。釈迦の前世。日蓮が深く信仰。不軽菩薩ともいう。
  • 法蔵菩薩:阿弥陀如来の修行時代の名(『大無量寿経』)。
  • 救脱菩薩:『薬師経』に登場。秋篠寺に像がある。
  • 法起菩薩:『華厳経』に登場し、金剛山に住むとされる。葛城山が金剛山とみなされ、転法輪寺の本尊となる。また西国三十三所観音霊場の創設者徳道の本地仏ともされる。
  • 大隋求菩薩:『大随求陀羅尼経』に登場?清水寺随求堂に祭られる。
  • 馬明菩薩:法華経に登場。養蚕の守護神
  • 勇施菩薩:『法華経』に登場し、釈迦に布施する菩薩。
  • 常啼菩薩:『般若経』や『大智度論』に登場する菩薩。
  • 堅意菩薩:『首楞厳経』に登場する菩薩。
  • 香象菩薩:『維摩経』に登場する菩薩。芳香を放つ。
  • 音声菩薩:
  • 供養菩薩:

菩薩グループ

顕教

  • 薬師如来の眷属:玄奘訳『薬師経』に基づく。
    • 日光菩薩
    • 月光菩薩
  • 阿弥陀如来二十五菩薩:阿弥陀如来の眷属。来迎のときに阿弥陀仏と共に迎えに来るという。来迎会で祭られる。源信著『往生要集』に引く『十往生経』が出典。聖衆とも呼ぶ。
    • 観世音菩薩
    • 勢至菩薩
    • 薬王菩薩
    • 薬上菩薩
    • 普賢菩薩
    • 法自在王菩薩
    • 獅子吼菩薩
    • 陀羅尼菩薩
    • 虚空蔵菩薩
    • 徳蔵菩薩
    • 宝蔵菩薩
    • 山海慧菩薩
    • 金蔵菩薩
    • 金剛蔵菩薩
    • 光明王菩薩
    • 華厳王菩薩
    • 衆宝王菩薩
    • 日照王菩薩
    • 月光王菩薩
    • 三昧王菩薩
    • 定自在王菩薩
    • 大自在王菩薩
    • 白象王菩薩
    • 大威徳王菩薩
    • 無辺身菩薩
  • 法華経の四菩薩:『法華経』涌出品に登場する菩薩。地涌の菩薩とも呼ばれる。
    • 上行菩薩:四菩薩の筆頭で、日蓮は自ら上行菩薩の生まれ変わりとの自覚のもと、活動した。
    • 無辺行菩薩:日興は無辺行菩薩の生まれ変わりと称した。
    • 浄行菩薩:浄行堂などとして日蓮宗寺院に祀られることが多い。
    • 安立行菩薩

密教

  • 五大菩薩東寺に立体曼荼羅がある。四波羅蜜菩薩と十六大菩薩を代表する五菩薩。
    • 金剛波羅蜜菩薩
    • 金剛薩埵菩薩
    • 金剛宝菩薩
    • 金剛法菩薩
    • 金剛業菩薩
  • 四波羅蜜菩薩金剛界曼荼羅で、大日如来の四方に描かれる四菩薩。大日如来の四親近菩薩。
    • 金剛波羅蜜菩薩
    • 宝波羅蜜菩薩
    • 法波羅蜜菩薩
    • 業波羅蜜菩薩
  • 十六大菩薩:金剛界曼荼羅で、大日如来を除いた阿シュク・宝生・阿弥陀・不空成就の四仏の四方に描かれる菩薩(四親近菩薩)の総称。
    • 金剛薩〓菩薩
    • 金剛王菩薩
    • 金剛愛菩薩
    • 金剛喜菩薩
    • 金剛宝菩薩
    • 金剛光菩薩
    • 金剛幢菩薩
    • 金剛笑菩薩
    • 金剛法菩薩
    • 金剛利菩薩
    • 金剛因菩薩
    • 金剛語菩薩
    • 金剛業菩薩
    • 金剛護菩薩
    • 金剛牙菩薩
    • 金剛拳菩薩
  • 八供養菩薩:金剛界曼荼羅で、内の四供養妃菩薩(五仏の四隅)と外の四供養妃菩薩(五仏の外側の四隅)の総称。
    • 金剛嬉菩薩(金剛戯菩薩)
    • 金剛鬘菩薩
    • 金剛歌菩薩
    • 金剛舞菩薩
    • 金剛香菩薩
    • 金剛華菩薩
    • 金剛灯菩薩
    • 金剛塗菩薩
  • 四摂菩薩:四門護菩薩ともいう。金剛界曼荼羅で、五仏の外側の上下左右に描かれる。
    • 金剛鉤菩薩
    • 金剛索菩薩
    • 金剛鎖菩薩
    • 金剛鈴菩薩
  • 賢劫十六尊:金剛界曼荼羅の成身会以外の会で、賢劫の千仏の代わりに描かれる菩薩。
  • 五大力菩薩:『仁王般若波羅蜜経』に基づく仁王会の本尊。五大力吼、五大力尊ともいう。五大明王と同一視され、五大堂に祭られる。
    • 金剛吼菩薩
    • 龍王吼菩薩
    • 無畏十力吼菩薩
    • 雷電吼菩薩
    • 無量力吼菩薩

禅宗

  • 放光菩薩 地蔵と観音の二尊。日本曹洞宗独自の尊格。

菩薩部に入らないもの

高僧の通称・諡号

インド・中国などの高僧

  • 馬鳴菩薩(100?-?):馬鳴。古代インドの仏教詩人。仏教文学の開祖という。カニシカ王の顧問。
  • 龍樹菩薩(150?-250?):龍樹。南インド出身の学僧で、大乗仏教の事実上の開祖。『中論』で空の思想を確立し、中観派の祖となった。中観思想は天台宗禅宗の成立に関わり、また『十住毘婆沙論』で初めて易行念仏を主張したことから浄土教の祖とされ、金剛薩埵が建てた南天鉄塔を発見し、収められていた経典を継承し、密教の祖になったともされる。真言宗付法八祖の第三祖。龍樹大士、龍勝、龍猛菩薩ともいう。
  • 龍智菩薩(生没年不詳):龍智。インドの密教僧。真言宗の付法八祖の第四祖。
  • 敦煌菩薩(月支菩薩)(239-316):竺法護。『正法華経』などを漢訳した、西晋時代の訳経僧。敦煌の出身。古訳時代の代表的な訳僧。
  • 無著菩薩(310?‐390?):無著(むじゃく)。インドの唯識学僧。上座部説一切有部から大乗仏教に転向。弟世親とともに唯識派の教学を大成した。
  • 天親菩薩(320?-400?):世親。インドの唯識学僧。無着の弟。『倶舎論』を著す。上座部の説一切有部から大乗仏教に転向。兄とともに唯識派の教学を大成し、のちの法相宗の教学の基礎を築く。
  • 皇帝大菩薩(464-549):武帝。の初代皇帝。中国歴代の崇仏皇帝の中でも代表的な人物。建康(南京)に同泰寺(鶏鳴寺)を創建。


日本の高僧

  • 照見大菩薩(生没年不詳):蜂子皇子(はちこのみこ)。出羽三山を開山したとされる皇族出身の飛鳥時代の僧。崇峻天皇皇子で、聖徳太子のいとこ。文政6年(1823)、羽黒山別当覚諄の請願で「照見大菩薩」号宣下。能除太子ともいう。
  • 上宮菩薩(574-622):聖徳太子。日本仏教の開祖。上宮皇太子菩薩ともいう。
  • 神変大菩薩(生没年不詳):役小角(えんのおづぬ)。修験道の開祖とされる飛鳥時代の人物。寛政11年(1799)1月25日、朝廷から「神変大菩薩」号宣下(『日本社寺大観』)。役行者ともいう。
  • 仁聞菩薩(生没年不詳):仁聞(にんもん)。六郷満山を開いた奈良時代の僧。八幡神の化身。人聞菩薩、神母菩薩ともいう。
  • 近江天皇菩薩(626-671):天智天皇の『延暦僧録』での表記。
  • 行基菩薩(668-749):行基。東大寺大仏造立を手掛けた奈良時代の僧。民間の聖僧として各地を行脚し、多くの寺院を建てたという。行基大菩薩。
  • 金粛菩薩(689-773):良弁。東大寺を創建した奈良時代の僧。金鷲菩薩、金鐘行者ともいう。
  • 釈浄三菩薩(693-770):文室浄三(智努王)の『延暦僧録』での表記。薬師寺に伝わる仏足石を造立。
  • 舎利菩薩(生没年不詳):舎利尼。奈良時代の尼僧。本名不詳。特異な生誕伝説を持つ。『日本霊異記』下巻第19話に登場。
  • 南菩薩(生没年不詳):永興。奈良時代の法相宗僧。熊野で修行していたという。十禅師。
  • 寂仙菩薩(?-758):寂仙。奈良時代の石鎚山の行者。死の直前に国王の子として生まれ変わると予言し、嵯峨天皇となったともいう。
  • 勝宝感神聖武皇帝菩薩(701-756):聖武天皇の『延暦僧録』での表記。
  • 天平仁政皇后菩薩(701-760):光明皇后の『延暦僧録』での表記。
  • 徳一菩薩(749-824?):徳一(とくいつ)。奈良時代・平安時代の法相宗僧。奈良で学んだのち、陸奥で布教して会津・恵日寺などを開く。
  • 長岡天皇菩薩(737-806):桓武天皇の『延暦僧録』での表記。
  • 感瑞応祥皇后菩薩(760-790):藤原乙牟漏の『延暦僧録』での表記。
  • 広智菩薩(生没年不詳):広智。円仁の師にあたる平安時代の天台僧。大慈寺3世。鑑真弟子の道忠に学ぶ。
  • 華厳菩薩(生没年不詳?):妙行。平安時代の僧。武蔵八王子の地名起源説話に登場。
  • 悉地菩薩(910-1007):性空。円教寺を開いた平安時代の天台僧。霧島山の開山でもある。
  • 皇円大菩薩(生没年不詳):皇円。駿河桜ケ池に龍身入定した平安時代の天台僧。法然の師。『扶桑略記』を記したという。
  • 慧光菩薩(1133-1212):法然。平安時代末から鎌倉時代初の天台僧で、浄土宗の開祖。文治4年(1188)宣下。恵光菩薩とも表記。
  • 蓮阿菩薩(1184-1252):良遍。
  • 大悲菩薩(1194-1249):覚盛。鎌倉時代の真言律宗唐招提寺流の僧。中世の律宗復興運動の先駆けとなる。唐招提寺を復興し、鑑真の再来と呼ばれた。天徳2年8月宣下?(『日本社寺大観』)
  • 興正菩薩(1201-1290):叡尊。鎌倉時代に活躍した、真言律宗西大寺流の開祖。西大寺を復興した。正安2年(1300)7月宣下(『日本社寺大観』)。
  • 忍性菩薩(1217-1303):忍性。鎌倉時代に活躍した、真言律宗西大寺流の僧。叡尊の高弟。鎌倉極楽寺を開く。文殊菩薩を篤く信仰。嘉暦3年(1328)5月宣下(『日本社寺大観』)。
  • 日蓮大菩薩(1222-1282):日蓮。日蓮宗の開祖。[久遠寺]]などを開く。延文2年(1357)、孫弟子にあたる大覚の活躍で後光厳天皇から「日蓮大菩薩」号を与えられたという。
  • 儀空菩薩(1239-1287):一向俊聖。1290年に朝廷より義空菩薩号を賜ったという(葉山古錦)
  • 日朗菩薩(1245-1320):日朗。師の日蓮が没した池上本門寺を継承し、その基礎を築いた鎌倉時代の僧。六老僧の一人。延文2年(1357)、孫弟子にあたる大覚の活躍で後光厳天皇から「日朗菩薩」号を与えられたという。
  • 日像菩薩(1269-1342):日像。京都に初の日蓮宗の勅願寺妙顕寺を創建した鎌倉時代の僧。日朗の弟子、日蓮にも師事した。延文2年(1357)、弟子の大覚の活躍で後光厳天皇から「日像菩薩」号を与えられたという。
  • 澄円大菩薩(1290-1371):智満。入元し、廬山東林寺で学び、堺に大阿弥陀経寺を開いた浄土宗僧。永康元年宣下?(『日本社寺大観』)。
  • 義南菩薩(生没年不詳):南北朝時代の臨済宗僧。宗峰妙超に学ぶ。入元して中峰明本の法を嗣ぐ。順帝から菩薩号を賜る。1350年(正平5年/観応1年)帰国。(日本人名大辞典)
  • 光居菩薩(1314-1403):智通。南北朝・室町時代の浄土宗僧。立政寺開山。応永8年(1401)宣下(『日本社寺大観』)。
  • 木喰五行菩薩(1718-1810):行道。江戸時代の木喰僧。木喰上人、木喰五行明満、木喰菩薩。

神号

参考文献

脚注

http://shinden.boo.jp/wiki/%E8%8F%A9%E8%96%A9%E4%BF%A1%E4%BB%B0」より作成

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